2015年6月25日木曜日

一般の高齢者の反応




家族が入院しました。
その時に感じたことを書いてみます。

その家族は数年前、胃がんで専門病院で手術をしました。その後は定期的なフォローアップを病院で受けておりますが、慢性疾患もなく順調に経過をたどっていました。

しかし、ある日お腹が痛いと言い出し、熱もありました。症状だけ聞くと単なる風邪です。それで近くの医療機関にかかり、胃腸炎と診断されその薬を処方されました。
薬を飲んでも全く症状が改善されず、言い出したことは「あの医者はヤブ」でした。

そして近隣の病院ではなく、2時間近くかかるがん専門病院までフラフラしながら受診しにいき、見てもらった結果が急性胆嚢炎でした。結果、即入院、その日のうちに手術でした。

私は同居していないので、後からこのことを聞いてびっくりしました。

地域医療連携を進めていこうとする医療機関と一般の高齢者の意識の違いはここまであるのだと改めて思った次第です。

お腹が痛い→がんが再発したのでは?という不安がよぎったのかもしれません。そして医者は一発で症状を緩和できないと技量が足りないと考えてしまうメンタルモデルがあるのでしょう。つまり一般の高齢者の医療に対する不安、不信があり、がん専門病院でありながら唯一信頼出来る場所として認識していることが見えてきます。

さらに普段かかるかかりつけ医といっても慢性疾患を持っていないと何かあった時かかりつけ医のしての機能が果たせないことも気づかされました。
健康な高齢者を増やしていくと、本当に困った時にどうすればいいのか分からなくなってしまうのかもしれません。

それにしても実際の事例を目の前にしてしまうと、地域包括ケアシステムが思うように進まない原因の一つがわかったような気がします。

家族はおかげさまで順調です。
こんなわがままな家族のためにしっかり治療やケアをしてくださっているスタッフの方々には本当に感謝です。

現在、家族には地元での地域連携というものを教えている最中です。どんな行動をするのかまた様子を見たいと思います。

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