11月7日にがんの保障研究会で、日本医科大学の勝俣範之先生をお呼びして「免疫療法ってなんだ⁉~夢のクスリの勘違い」をタイトルにした講演・シンポジウムを実施しました。
ただ、この受賞決定をきっかけに現在一部民間医療機関で行われている自由診療での「免疫療法」などまでがノーベル賞をとった夢の薬という誤解が広まり、実際に国立がんセンターや患者団体に問い合わせが多数ありました。一般の方にとって「免疫」という言葉で全てが一括りにされて理解され、インターネットという情報の海で「正しい情報」と「誤った情報」が混在しているのが現状です。
免疫療法は臨床試験を経て効果が立証されているもの(免疫チェックポイント阻害剤など)と、効果が立証されていないもの(臨床試験で結果がでていないもの)がありますが、その違いを理解できないというものがあったり、ある一つのがんに効けばそれ以外にも効果がある可能性があると思ってしまいます。それに賭けてみたくなる気持ちも、わからなくはありません。その患者さんの「治りたい」という思いを利用している人が世の中にいるのも現実です。また悪意を持っていなくても、間違った知識を善意で広めてしまうこともあります。
そこで一般の方へ正しい情報を伝えるために、NEWS ZEROやNHKに出演された勝俣範之先生に、腫瘍内科医という専門家の立場から科学的根拠のある免疫療法は限定的であるということ、インターネットの広告などに出てくる情報には経済的と医療リスクがあるという話をして頂きました。
今回は当初、保険を扱う保険会社職員及び保険代理店従業員の方を中心に企画をいたしましたが、急遽、一般の方にも参加していただき広くこの問題点を伝えることにしたため、運営はギリギリまでバタバタ状態でした。
それでも来ていただいた方々に聞いてよかったということを言っていただくとその苦労が少し和らぐ気がします。