2015年12月30日水曜日

わたしの2015年



今年はとても大きな変化がありました。それは15年半務めた会社を辞めたことです。

思い返せば1999年、体調を崩していた私は次の仕事は何をしようか考えていたときに出会ったのがこの会社です。当時、コントラクトMRなんて誰も知らない時代です。
そのときに私は「何だかよくわからないけど面白そう」「仕事をする上で営業だったらなんでもいいや」というあまり深く考えを持たずに会社を選びました。そのときは仕事を続けていければいいという気持ちのほうが強かったと思います。

それにしても入社してびっくりすることの連続でした。

同期で入社した仲間は異業種からの転職でMRとはなにかもまったく知らず、医療機関に行ったこともない。そんな状態だったからしっちゃかめっちゃか。会社には研修部もない。そうなると医療業界経験者の私は放置、、、
研修中に派遣先の会社が合併が決定し、MR認定試験の直前に製品研修。とにかく、先が見えないというか、いくら予測してもどんどん変化していくところで仕事をしていました。そうなると周りの変化にまったく動じない自分ができてしまうんですね。

その後も仕事をしながら大学院へいったり、営業から企画の仕事、IT、教育、とにかくなんでもやる自分が形成されていきました。一番長い経験はもちろん営業(10年)ですが、次に長いのは教育の仕事になります。それにしても、どんな仕事でもほどんど偏りなく仕事ができてしまう素地はこの会社で培ったものだといって間違いないです。

その会社をとうとう辞めたのが6月の末になります。
いつかは辞めるつもりだったのですが、いつ辞めるかは1年くらい悩んでいました。

いまやっているような活動は約10年前からゆっくりと始めました。社外での活動をすればするほど、勉強をすればするほど自分の考えと会社とのギャップが大きくなってきてしまい、正直2〜3年前くらいには気持ち的に限界にきていました。もう辞めようと思ったタイミングで組織が大きく変わりこれまでとは違うチャレンジをする機会を与えられ、なんとかモチベーションを保って1年半。しかし昨年の後半でその糸もぷつんと切れてしまいました。

そこからなにをすべきか、どうやって自分の仕事を全うしながら辞められるのかを考え続けたのが今年の始め。そして辞めるにあたってもトンデモナイくらいのストレスで体調がボロボロだった3月。有休消化しながらなんとか持ちこたえ、最終出社がゴールデンウイーク前でした。

そこから自分の体調を整えるために、ほぼ毎日ヨガと瞑想していました。体を動かしながら自分の心と体を整える方法は私に合っていたんでしょうね。しっかり自分を取り戻している感覚があります。

旅行も、イギリスとアメリカにも行って楽しんだ。こんなに遊び呆けたのは何十年ぶりでしょうか。

そんなことをしているときに飲み会の席で「うちで仕事しない?」という軽〜いノリで尾藤さんに誘われ東京医療センターの仕事を始めたのが9月。これも本当に縁というか、タイミングなんでしょうね。その半年前だったら多分そのお誘いには乗っていなかったと思います。私は、まったく違う価値観や方法、環境というのは基本的に好きです。それでもこの決断は偶然の産物です。おかげさまで多くの勉強をさせてもらっています。

会社にいかなくなったのが5月からですが、とにかくあっちこっち自由に行けるようになって本当に楽しい。東金にもたくさん行けるし、行きたかった幸手にも行けた。ワークショップもいくつも企画できたし、講演もできた。とにかく毎日を楽しむことを楽しめている感じです。

そういう意味では、いいことがたくさんあった2015年だったと思います。

でも悲しいことも大変なこともありました。お世話になった方が突然お亡くなりになったり、家族や親戚の事件などいいことばかりではありません。それでもその中で自分らしくいられたのではないかと思います。たぶんもっといっぱい出来事はあったと思います。

さて、来年ですがいくつかやろうと思っていることはあるのですが、あまりかっちり決めないで「決断しなくてはならないときがきたら決断をする」というスタンスでいきたいと思っています。

「いついつにこうする」ということを決めたところで、そのとおりになんかならないということ実感した2015年。性格的には具体的にきまった実行プランはきっちりしますが、自分の人生は大雑把な緩さでいいんじゃないかと思っています。

ただ自分が話をする機会はもっと増やしたいと思っています。それ以外はまだ決めない。FREEなんだもん!

2016年についてはお正月中にいろいろ考えてみます。

2015年12月29日火曜日

幸手の振り返りと忘年会



年内最後の活動は幸手で締めくくり。
調査員をしたメンバーが集まってレビューワークショップをしました。

振り返りはとても大切です。得ることができたもの、次に活かしていくべきもの、問題や課題をみんなでシェアしました。

地域診断とは何だろう?その目的は?というところから、地区ごとの特徴によって質問内容を変えたほうがよいのではないかということも出ました。
また、調査員の立ち位置やこの調査後についてなど、フリーに意見を出すなかで、まだまだ完成型ではなくよりよい方法を見つけていくプロセスのなかにいるのだと思いました。

やはり、これは地域診断とかアセスメントという名前を使っているけど、名前を変えたほうがいいんじゃないでしょうか。それが一番思ったことです。

調査というと調査員が全員、同じ聴き方をすべきだと思うのですが、調査員の資格もキャリアも違うのでヒヤリングのスキルや方法にもばらつきがでます。また専門家であるがゆえに「こうしたほうがいい」という住民に対する気づきも生まれます。そこにもばらつきがあります。

研究の世界ではこのばらつきがよくないと思うのですが、現実社会の中の事業として考えたときには、「調査員としての個性」を生かすことで住民にとってのメリットも生まれるという面もあります。幸手は積極的に後者の立場をとっているのです。

そうなると言葉でこの事業の良さの理解を妨げるのであれば、呼び方を考えるというのは一つの方法ではないかと思っています。

幸手の事業は石巻の住民調査を参考に行っています。同じ課題発見でも石巻は非常時でしたが、いまの幸手は平時なのでやり方もあり方もまったく違うものとして考えるのが自然だと私は考えます。

次に思ったことは、調査員の立ち位置の明確化と協力しててくれる住民への理解促進の方法(事業の目的、個人情報の取り扱い等の説明方法)は可能な限り統一させていく必要性です。

調査員はその調査だけの関わりであり、継続的に住民の方との関係性をつくるものではありません。だから繋ぐためのきっかけであるということを自覚して行動すべきだと思います。

でもその反面、言わないことによって問題が放置されてしまうかもしれないと考えたとき、押し付けにならないで、さらっと情報を伝える話し方の工夫が必要だと思います。

今回は本当にその道のプロが多くこの事業を理解しているので、専門家のアドバイスを住民にして健康指導みたいになるような人はいませんでした。

今後もこのメンバーが関わり続けていけるかというとそうではないので、となると事前に相談員の研修は丁寧にする必要があると言えると思います。

そうすることでこの事業の良さがどんどん前に出てくるのではないでしょうか。


来年の2月22日午後2時から報告会があります。それはデータもまとめて今回の内容を報告してくれるそうです。
私も参加してこようと思っています。今後も幸手はおっかけます(笑)

2015年12月19日土曜日

かかりつけ薬局と薬剤師の役割 Vol.1



この企画は、自分から何かを作りたくてやろうといったのではなく偶然の産物です。

それは診療報酬改定の議論が始まったころのことです。なんだか唐突にかかりつけ薬局の話がでてきました。その後、健康サポート薬局とかもでてきて「一体何なんだ」と思っていました。「かかりつけ」という言葉では、以前厚労省がイギリスの医療制度を参考に総合医を進めゲートキーパー的な仕組みを入れていこうとしたときに、医師会が反対して医師会が出してきたのかかかりつけ医というもの。その議論の決着が完全についていないまま「かかりつけ薬局」という言葉がでてきました。


あまりにもしっくりしないので、議論の行方を知りたくて、とあるシンポジウムに参加しました。そうしたら余計にもやっと、いらっとしてしまいました。

当たり前のことが当たり前ではない?
もっと地域へでていく?
患者さんと接することに対しての覚悟?

意味がわからない。

そのときに一緒に参加していた東京財団の三原岳さん(一緒に市民の医療参加を創る会を企画運営しています)と「定義がわからない」「患者不在だ!」だのフェイスブックで吠えていたら、糖尿病専門医の岩岡さんが「イベントを企画しよう」と言い出したのがきっかけです。

一体今後のあり方はどの辺にあるのだろうかというシンプルな問いから企画がスタートしました。

メンバーでミーティングを進めていくと、現場の葛藤が見えてきました。
今回は使わなかった言葉ですが、サファリングを「苦悩」とか「苦しみ」といった訳ができるようです。
そこで、現場で薬剤師をしている菊池真実さんに現場のリアルを語ってもらい、それを三原さんが制度の面から整理をしながら議論を進めようという流れになりました。

 

当日のプレゼン、議論を聞きながら整理していくと、薬剤師は求められている役割と現実との乖離があり、求められる姿に近づいていこうとすればするほどサファリングが生まれるということがはっきりしました。

薬剤師は何をする人なのか? 
調剤をする人なのか、それとも薬歴管理やアドバイスをする人なのか?
役割を再定義したほうがいいでしょうね。

私は単純に調剤する人は別の専門資格をつくるほうがいいと思っています。それは現在の薬剤が錠剤も多く、機械化が可能だからです。その操作や確認ができる能力と安全管理ができれば何も薬剤師である必要はないからです。


ほかにも議論ででてきたキーワードは疑義照会です。
疑義照会も単純な処方数の確認から薬学的見地に立ったものから薬剤師のレベルによってまったく違います。
そして機械化によりコスト削減は可能で、AIでよりミスが減少し利便化します。

薬剤師は何を選択し能力を今後何に集中していくのでしょう。

まだまだ議論し尽くせなかった分は次回続きをしようと思っています。




【次回告知】
第2回は「制度改正を巡る理想と現実」です。
スピーカーは薬剤師の水八寿裕さんと厚労省の医系技官の松本晴樹さんです。
前回議論し尽くせなかった部分をさらに掘り下げていきたいと思います。
皆様のご参加をお待ちしております。
日時:2016年1月17日19:00~21:00 (終了後懇親会あり)
場所:みのりカフェ
会費:参加費3000円 懇親会2000円
主催:患医ねっと
※申し込みはこくちーずに登録していただいて完了になります。
キャンセル待ちも申し込み順とさせていただきますのでよろしくお願いします。
http://kokucheese.com/event/index/352804/
※キャンセルする場合は必ず早めにご連絡をお願いします。当日のキャンセルは食事の準備の都合がありますので参加費の負担をお願いします。

第3回 2016年2月18日 「次世代のPharmacy(総括)」(仮)

http://kokucheese.com/event/index/352806/






2015年12月15日火曜日

ふるさとがえり


ふるさとがえり公式ホームページ


この映画を見はじめたとき、「Stand by meっぽい話なのかな」って思いました。
でも確かに4人の少年がでてきたけど Stand by meじゃなかった。

子供の頃は何にでもなれた。
たくさん夢があって、希望もあった。
大人になると思った通りにならないことは沢山ある。

この話はある男性が自分のふるさとに戻るところから始まる。子供の頃に見た風景と大人になってから見る風景はまったく違って、キラキラしていたものがこんなもんだったのかなとか、逆に当たり前だったものが綺麗に見えたりする。

この男性がふるさとにもどった理由がある。でもこれは映画の最初と最後では観客から違って見える。それは見てのお楽しみです。

この映画をみるきっかけは、私が先日の住民活動の全国シンポジウム後に「恵那に行ってみたい」といったら恵那を舞台にした映画があることを教えてもらいました。

この作品が素晴らしいと思ったのはストーリーだけではなく、田舎の問題や状況がリアルだったり、役者さんのセリフが深かったりとツボにはまるところが沢山あって、涙腺が崩壊です。

DVDが出ていますのでぜひみてほしいなと思います。
http://www.amazon.co.jp/ふるさとがえり-DVD-渋江譲二/dp/B0098FMGRS


2015年12月7日月曜日

久々のプレゼン


ここ最近、裏方の仕事が多く自分がプレゼンをするのは久々です。

今回は、約120名の前でのプレゼンでしたが、思ったほど緊張はしませんでした。開き直りかしら?

今回はリスクマネジメントってなに?をお話しました。一応、リスクマネジメントも専門分野のひとつです。と、いっても他の分野よりはやや後回し的にしかお勉強できていません。それでもあまり知識のない方も多くいらっしゃるということでしたので、私にお声がかかりました。

事務局の方から事前にどういったことを話して欲しいかの打ち合わせもしてありましたし、相手の理解も反応も大体その時の想定内であったのも緊張しなかった理由かもしれません。

本当は講演よりもトレーニングのほうが好きですが、たまにはこういうのもいいですね。




地域医療を守り・育てる住民活動全国シンポジウムに参加しました





ブログの更新が滞っておりました。11月28日、29日と麹町にあるグリーンプラザにて地域医療を守り・育てる住民活動全国シンポジウムに参加しました。

参加は今回が初めてでしたが、全国の活動を知ることができて、本当に勉強になりました。活動が始まったばかりのところもあれば、何年も続けている方もいろいろで、それぞれの苦労や工夫を知ることができてよかったです。

いま、地域包括ケアを国からの命題で進めていかなくてはならない状況にきています。
その背景にあるものは、社会保障のありかた、特に医療、介護において自分たちはどうすべきなのかということを自分ごととして捉えて行動していかなくてはならない時期にきているということです。

今回の皆さんのお話をきいて思ったことは、人間って目の前に問題が突きつけられて動くものなんだな、ということです。というのは、その地区で医師が足りない、病院が閉鎖などの問題に対して住民自ら立ち上がって活動しています。
それを考えると、まだ住民活動が進んでいないエリアは余裕があると言い換えていいのかもしれません。

また、活動されている方のお話を聞くと地元愛が本当にあふれていますね。そして人とのつながりをとても大事にされています。地元を愛するがゆえに放っておけないから活動するんでしょうね。
こういった方々のお話を聞くとやはり、お上が言っているから仕方なくやっている地域との差がどんどんついていくのだと思いました。

今回、幾つか実際に行ってみたい場所ができました。
来年はぜひ時間をつくって見学に行ってこようと思っています。