2018年2月25日日曜日

ヘルスケアシステムを紐解くワークショップ


ビジネスモデルイノベーション協会(BMIA)ヘルスケア分科会主催の「ヘルスケアシステムを紐解くワークショップ」でファシリテーターをしました。私の仕事は、医療・介護制度の過去から現在、未来までの大枠を示しながら参加者の理解を深めていくことです。教えるけど、教えすぎず、要点を抑えてあとは参加者同士で学びあうというスタイルです。

BMIAにはワークショップのツールがいくつかあり、その手法をお借りしながら今回のワークショップを実施しました。

以前、3日間にわけて実施したものを1日にしたのですが、やはりそのほうが流れもいいし集中しているので理解が深まると感じました。が、やはりボリュームもあるし、来ていただいた方はかなり疲れたと思います。本当にお疲れ様でした。

ここ最近思うのですが、地域包括ケアとか医療・介護に関する皆さんの理解がかなり進んできていると感じます。今回いらっしゃった方々のバックグラウンドは様々ですが、医療・介護現場の問題についてもよくご存じですし、それぞれの仕事の中でヘルスケア領域に何かしら関係をしていく必要性をしっかりと感じていらっしゃいます。明らかに数年前と反応が変わってきているのではないでしょうか。

もちろん、この場にくる人は問題意識があるからとは思いますがなんとなく儲かりそうだからといって異業種がヘルスケア領域のことを勉強したいと言っていたのとは違っています。多分、この流れが急激に業界を変えていくのでしょうね。

私ももっと勉強してその勢いを加速させるには何が必要か考えていきたいと思います。

最後になりましたが、BMIAヘルスケア分科会の皆様には、このような機会を与えていただき本当に感謝です。ありがとうございました!


2018年2月16日金曜日

調剤報酬改定をきっかけに思ったこと


本文とは関係なく、ふとみたら梅が咲いていたのでパチリ。

今年の春は診療・介護報酬同時改定です。ということは当然、調剤報酬も改定されます。

今回の変更は多少、順番や進行速度が違っているものの、国が言っている地域包括ケアを推進する流れを大きく受け、そこで必要な事柄で予定されている項目は順当に制度や報酬改定が動いています。門前で処方箋待ちだけをしているところにとっては厳しいと感じるかもしれませんが、保険診療を収入源にしているのであれば保険診療全体のニーズに合わた経営をすべきだと思います。もし別の方法で医療に貢献したいと思うのであれば、公的保険以外のビジネスを組み合わせて事業継続をするべきだと私は考えています。あえていうなら、方向性はもうだいぶ前から示されているのだからその準備をしていないほうが経営的に問題なのではないかということも言えます。

そういったことも含め私にとって調剤薬局ってとても不思議なクラスタです。ろいうのは薬局が調剤報酬を漏れなく、しっかり、取りたいと思っているとは思えません。

例えば、かかりつけ薬剤師管理指導料を積極的にとっているのは大手チェーンであり、多くの薬局はとっていません。ではとっている薬局がしっかりかかりつけ機能を果たせているかというと患者側の立場からすると実感はありません。また休日・夜間加算も厳密にとっている薬局とそうでないところがあります。理由を聞くと門前の医療機関の診療最終の分が時間を回ってしまったらと言って途中から金額がかわるのはおかしいのでとらないと答えた方もいました。どちらも医療で患者さんからお金を取ることを避けているのですが、ちゃんとやるべきことをしているなら胸をはって取ればいいはずですが、そう考えていないかたも珍しくはありません。このことから感じたのは、もしかしたら医療機関・介護施設に比べると違った意味で正しく数字として評価されていないのかもしれないと感じました。

客観的にみて調剤報酬改定は決して悲観的な内容ではなく、不正をせずにやるべきことをやっているところは調剤報酬上では悪くない内容だと思います。もちろん様々な変更すべきがあると思いますが、全く手が届かないものではないと思います。むしろ薬剤師に期待をしています。

重複投与・相互作用防止加算では、今回新たに残薬調剤以外の場合に40点がつきます。本当は点数などつけなくてもやってほしいことなのですが、医師に対して処方の内容に踏み込むことを応援しているとも取れます。それを医師側が認めている改定です。

地域における役割についてはより積極的に関わることを求められています。特に地域支援体制加算をみると在宅看取りを積極的に関わることをが必要なのだと感じます。一般病院の緩和ケアチームの対象となるものががん以外に重症心不全も新たに入っています。在宅ではがん末期が診療報酬の対象ですが、だんだんと緩和ががん以外にも広がりをみせるようになることが想像されるので、当然麻薬等を使った薬物療法は地域でも必要になってきます、多死時代を迎えることを考えるとここ数年で体制を整えるための報酬での誘導なのだと感じています。

もちろん全体を俯瞰して考えることも大事なのですが、地域や職種などで問題が異なります。全体の議論とそれぞれの立場では全く議論の見え方が違ってきます。特に薬局はマクロで捉えすぎてもわかりにくいので個別に考える必要があると思っています。なかでも報酬関係は経営に直結するので個別性も高く、改定についてよいともわるいも言いにくい。

そういった前提がありつつも、やはり、薬局経営には本気の「覚悟」が必要だと思う。

2018年2月13日火曜日

近未来のテクノロジーに憧れるとともに

写真は東京に大雪が降ったときの一ツ橋周辺の写真です。本文とはあまり関係はありません。

1月はちょこちょこと出かけていたのですが、あまりにも忙しすぎてブログを書く余裕がありませんでした。とはいうものの記録に何かしておいたほうがよいかと思い、ざっくりと感じていることを書こうと思います。

年末くらいから意識して医療から離れようとしていました。どのような事も時々意識的にそこから離れるようにして近視眼的にならないようにしています。私はずっと同じことを考えていると新しい発想が生まれなくなったり閉塞感を感じたりするので、ふらっとどこかにいく習性があります。なので、宇宙のこと、新規技術についての話を聞きにいったりしていました。

特に宇宙の話は面白いですね。JAXA(http://www.jaxa.jp/index_j.html)では月の開発をすすめています。月は地球から近いのに、どうやってできたのか、何でできているのかなども含めてまだまだ分からないことがたくさんあります。その探索プロジェクトについて聞くのは面白いです。もちろんちんぷんかんぷんなところはたくさんあります。しかし探索をするうえで、映像、飛行、動作の技術など宇宙の過酷な空間の中で耐えうるものをつくることができるということは、その応用で地球上のものもつくることができるということになります。未知の世界はワクワクします。月にかぐや姫がいなくても隣の惑星では何があるのかと想像するのはとても楽しいことだと思っています。

一方であまりワクワクしないこともあります。他にも人工知能やIoTなどの話も聞きに行きましたが、こちらは1年前くらいから色々と話を聞いているので新たなる知見とまではいきませんでしたが、徐々にビジネスとして成立していく段階に差しかかっていると感じました。一般の人の人口知能へ理解はまだ十分とはいえませんし、現状のできることと今後のことがまだまだ混在しています。しかし注意してみていなければなりません。それは技術革新があまりにも早く、人間としての成熟が追い付いていないところに危惧します。それは特に医療の分野です。

ブレインマシンインターフェイス(脳波で機械操作をするもの)は神経難病の人や脳卒中後の麻痺がある人には非常に画期的なものだと思いますが、それを健常人がつかうことになればいったい何のためにつかうのでしょう。また遺伝子検査についても価格破壊が起こっています。それはコンピューターの処理速度が格段に上がったことにより大量に情報処理が行えるようになったことから、ますます遺伝子に着目した治療や検査は進んでいくでしょう。ゲノム編集が可能となり、この技術自体の考えは1990年代からあったそうなのですがそれが実用化が目前まできています。遺伝が原因で疾患となっている人に対してこの技術は大変すばらしいものですが、デザイナーベビーはどう考えるのでしょう。

これらの技術はすべてコンピュータが計算して行っています。処理速度が上がれば上がるほど大量の情報処理を行えます。また通信技術の発達で大量のデータを移送できるようになりました。これまで不可能といわれるものができるようになったのはすべてコンピュータのおかげとも言えます。そうなると技術革新はもろ刃の剣と同じ。技術応用によって素晴らしい社会になるのか、暗い社会になるのかは人間次第です。単に規制をすればよいというものではありません。人間はどんな社会目指そうとしているのか本気で考えるべきだと思っています。

私はドラえもんの世界が未来にあってほしいと願っています。

2018年2月12日月曜日

MRになりたい学生のためのセミナー2018


1月28日に「MRになりたい学生のためのセミナー」がありました。今年も学生さんの前でお話をしました。昨年は「お給料がいいからMRになるという選択でMRを目指すとろくなことはない」と言いましたが、今年も基本姿勢はあい変わらずです。今年はMRの歴史から在り方についてお話しをしました。

今回参加した方たちをみると文系の方が結構いました。薬学生からみたMRというのはなんとなくわかるのですが、文系からみたMRはどのように見えているのでしょうね。

MRはもともとは明治時代に医薬品の使い方を伝えるために生まれました。販売促進目的がスタートではないのです。

MRの歴史(日本医史学雑誌 第 59 巻第 1 号(2013))
http://jsmh.umin.jp/journal/59-1/59-1_139-140.pdf

現在のPMS(製造販売後調査)においてMRの役割はGVP(医薬品製造販売後安全管理基準)に定義されていることからも、まずはその仕事を全うするのが役割と私は考えています。MRにセールスの機能を求めるのであれば別の組織にすべきと私は考えています。本来一番に考えるべきは、患者にとっての最善のための薬物治療です。個人個人は努力していると思いますが、なかなか大きな変化は生まれていません。その一方で、医療現場ではMRの存在について疑問を投げかけられています。現場で提供している情報がMRでなくてもよいという声も上がっているのが現実だからです。非常にこれは残念なことです。

今後の製薬企業の動きはみていかなくてはなりません。

今回のセミナーでは、数年前に学生さんだった人が先輩MRとしてプレゼンや会場準備をしている姿をみて、製薬企業の教育は行き届いているとも思いました。てきぱき動くし、プレゼンも上手です。一生懸命努力してきたんだなと思いました。そういうのを見るとやはり、人材をちゃんと生かせていない企業側の責任も重いとも感じています。

MRの人数は今後明らかに減少すると思いますし、そのほうがいいと思っていますが、努力している人はどの仕事をしても残っていくと確信した一日でした。