2017年4月18日火曜日

ベンチャーキャピタルファンドの話を聞いてきました



久々に医療以外のお勉強に行ってきました。ベンチャーキャピタルの話は大学院時代にイノベーションを研究していたので非常に興味のある分野です。その頃からだいぶ経つのですが、話をされている本質は大きく変化した印象はないです。

シーズが研究開発から実際に世に出るまでには死の谷と呼ばれる最初の資金が底をつき、そこに設備投資や様々なものにコストがどんどんかかる時期があります。そこに必要なのがベンチャーキャピタルです。産官学連携でイノベーションを推進する上でベンチャー企業の役割が重要なのですが、その資金調達は非常に困難だったりします。業界によって様々なベンチャー企業がありますが大当たりするか外れるかが未知であるゆえに担保形式の資金援助が現在でも多いというお話でした。日本にはエンジェル投資も少ないことが実態としてあります。またアカデミア発のベンチャーも非常に少ないです。

医療分野に特化した話ではなかったのですが他の産業と同様に医療分野にも死の谷はあります。医療の場合はアカデミアの協力なしでは新しいプロダクトは生まれません。アカデミア発の薬品や医療機器が少ないのはアカデミアの経営能力のなさだけでなく、開発にお金が非常にかかる面との両方があります。

国からの資金だけで研究開発を進めるには限界があり、ファンドの力を使うにはベンチャービジネスを立ち上げる必要もあります。事業化するにしても現状にはいくつも超えなければならない壁が資金以外にもあると私は思っており、私にはお金はありませんが(笑)、そこを越えようとするアントレプナーシップのある人を応援できればと思います。

今回は科学技術系の中でファンドを考えていましたが、ファンドで地域包括ケアの仕組みを作れないだろうかと勝手に妄想していました。

2017年4月10日月曜日

がん患者の就労の悩み



がん哲学外来在宅部会に特定社会保険労務士の近藤明美さんをお呼びして、がん患者の就労の話をしていただきました。

がん患者さんは術後、体力が落ちてしまうことの不安や抗がん剤治療の時に仕事を休まなくてはならないこともあるため、とても悩みも多くあります。生活もかかっていたりするので、自分だけでは解決できないことなどもあります。

平成18年にがん対策基本法が出てから、がん患者さんの支援と言うものが少しづつ進み、平成24年にがん対策すいsん基本計画が見直され、働く世代や小児へのがん対策の充実が重点課題とされました。

以降、がん診療拠点病院に相談支援センターをおくことになったり、ハローワークでもも相談ができるようになりました。また、第3期がん対策推進基本計画に置いて企業に対して雇用の努力義務が課せられることが決まりました。

このように様々な制度が整ってきていますが、実際の悩みは非常に複雑で十分に支援できているかと言うとそうでもない現状もあります。

今回のお話はその困りごととどのような支援が必要なのかをわかりやすくお話いただきました。またその支援に社労士が介入することにより、スムーズな解決に繋がることもお話いただきました。

現在の制度は本当に細切れでそれぞれ申請を別々にしなくてはなりません。申請もれをなくすためのサイトがあります。これは以前、私も関わらせてもらったものです。

がん制度ドック(がんと暮らしを考える会)

社労士が就労に相談できる窓口も紹介いただきました。

就労ホットコール(CSRプロジェクト)

近藤さんはこれらの活動に関わっています。

今回のお話の中で、印象的だったことがあります。それは患者の「伝える力」がとても大切だと言うことです。職場の人にどうしても配慮をしてもらわなくてはいけません。その時に具体的に自分が望む配慮を伝えたり、状況や自分の意向をきちんと伝えることがとても大事です。自分は迷惑をかけてしまうのではないかと考えていても、話をしてみたら会社も居てほしいと思っているかもしれません。

責任感のある人はなんでも抱え込んでしまって、他人に委ねることが上手にできないことってあると思います。少しだけ思い切って自分の弱みをうまく伝えることができると何か道が開けることもあるのではないでしょうか。

制度だけではなく、そこにいる人たちでなんとかなる部分もあります。そんなことを改めて思いました。


薬剤師の仕事って大変だなあ



川崎市の調剤薬局「ふくろう薬局」の菊池真実さんのところにお邪魔してきました。ここの薬局は在宅訪問をしており、どんな様子でお仕事をされているのかを肌感覚として理解したくて同行をお願いしました。また調剤薬局の中での仕事も同時に見学をさせていただきました。

薬剤師の業務は、「調剤」と「医薬品の情報提供」ですが、文字に書くと簡単そうですがそこには高度な専門性があります。ほとんど錠剤の処方なのに?なんでそんなに大変そうにしているのか?と思われるかもしれませんが、とにかく細かい、めんどくさい作業が多いのです。

ピッキング、監査、一包化調剤、発注、薬剤管理など実際の作業をひととおり見せていただきました。処方箋を確認しながら、患者の利便性や特徴ごとの個別対応は本当に驚くばかりです。以前に出ていた薬と今回処方箋の内容を比べてその違いを患者からの情報やケアマネその他からの情報で瞬時に疑義照会した方が良いのかどうか判断をします。この辺は患者として待っている時には全く見えないところです。この部分の効率化が本当に必要なんだと思います。

しかし、そんなに簡単なことではないと思っています。レセプトやデータがあればとか機械化すればなんとかなる問題とそれらがあってもどうにもならない問題が混在しています。システムの問題であったり、人の問題だったり簡単ではないです。

薬剤師の務めは患者に安全に適正に薬を飲んでもらうことです。しかしそれは薬局の中だけにいたら、なし得ないことで、それを本当に最後まで見届けるためには薬剤師が患者の自宅まで行くしかありません。それが薬局の在宅訪問なんだと思います。

患者は薬を飲んでいないのに飲んでいると言ったり、本当のことを言ったら迷惑になるのではないかと遠慮していたりします。そして医師も患者が体調の変調を言うと安易に薬を処方したり、自分の専門以外の薬は出したくないと主治医として全部を見てくれない場合も見られます。そこを間に入って残薬の整理をしたり、医師への伝え方のアドバイスをしたり、体調の変化を生活環境から最適の方法を提案するのが在宅訪問をする薬剤師の仕事なんだな、見ていてよくわかりました。

今、薬局のあり方について色々議論に上がっています。薬剤師と言う資格は薬局勤務だけではなく、医薬品を扱うところでの管理業務を担っています。しかし今回同行させていただいてよくわかったのですが、ただ薬を渡すだけではないので1軒あたりの滞在時間はどうしてもかかってしまいます。

今回見学、同行させていただいた方は薬剤師としてのスキルが高い方です。(経済面から鑑みての医療機関へのかかり方についてもアドバイスされていました)ここまでできる方が少ないのも現実だと認識しています。この大きく実力の差がある薬剤師の現実を踏まえ、薬局がどんな方向に向かっていくのかを見ていきたいと思っています。

写真は患者さんのご自宅にある投薬カレンダーです。飲み残しがないかを確認しながら飲み方や体調の話をされていました。

お忙しいところ、快く受け入れてくださいましてありがとうございました!感謝です。

2017年4月1日土曜日

読書会「人工知能にできることできないこと」


根津のみのりカフェで読書会を開きました。
今回の企画の始まりは、今年のファイザーのヘルスケアリサーチワークショップでのモヤモヤを少しスッキリさせるためのものでした。

その時に参加していた友人と「もう少し深めたい!」という話が上がり、「私も話したい」ということでいろんな知見を得るためにどうすればいいかな?と考えて、本もだいぶ出ていることだし、効率よく勉強しつつ考えを深めようということでRead For Actionスタイルの読書会をすることにしました。

RFA

本は別に読んでくる必要はなく、その本に書いてあることを30分くらいで大まかに理解してしまうという手法を使っています。なぜそれができるかというと、人間は自分の気になることを探し、そこから繋げて自分で解釈をしていきます。それを応用して本から得た知識と参加者との対話で理解を深めていきます。



まず最初に読書会に参加しようと思った理由やどんなことをこれからしようとしているのか、ということを書いてもらいました。そして最後に今日の気づきを書いてもらったものがこの写真の付箋です。みなさんそれぞれの参加動機です。オープンにタイトルを投げて、その言葉に共鳴してきてくださった方なのでとても興味深いです。

持ち寄ってもらった本が一つも被らないのがさらに面白い。トップにあげたのぶさんが写っている写真を見ていただけるとなかなすごいですね。

自分の問いを明らかにした後はインスピレーションで選んだ本の中から答えを探す作業です。付箋にどんどんキーワードを出していきます。


みんなが持ち寄った本に囲まれてどんどん思考は自分の答えを探す方へと向かっていきます。一定の時間が来たらそこから得た知識の共有とダイアログをします。

2つのグループから出て来たダイアログテーマは「人工知能はどんな世界を創造するか」と「AIが意図しない方に動いた場合は責任は誰が取るのか」でした。

「人工知能(AI)にできること、できないこと」これがメインテーマでしたが、やはり最後には「人間とは何か」とか「人間にしかできないことは何か」を考えていったように思います。

まだまだ今の技術では人間を超えることはできないけど、人工知能の研究は人間の研究であり人間が無意識に行っている行動を紐解く研究です。人工知能に置き換わる、置き換わらないという単純なことではなく人間自身を見つめて行った先に自分たちの作りたい未来があるのだろうなと感じました。

会の後の懇親会はみのりカフェのフライデーナイト。読書会の余韻はそのまま残り全員でご飯を食べながらのダイアログもまぜこぜの会話の中にもどこか人工知能や人間とは何かを感じながら話ができました。

とても楽しい時間を共有できました。参加者の皆さん、テーマアイディアをくれたえっちゃん、伸さん、ありがとうございました!


研究発表「地域とのつながりと ケアマネジメントとの関係」




去る3月25日にリスクマネジメント協会の研究発表会があり、昨年に引き続きソーシャルキャピタルについて発表をしてきました。

昨年は地域包括ケアにおいてソーシャルキャピタルがベースに必要であり、廣瀬さんの調査をもとにソーシャルキャピタルは社会保障費に影響するのではないかという発表をしました。

今回はケアの概念を論文等より紐解き、今年度行った廣瀬さんの調査をケアの概念から分析し、複数人数で住んでいる人へのサービス過剰が否定できないもののその反対に独居の人にサービスが行き渡っていないかもしれないという仮説が導き出されました。
発表の最後は、「独居が悪いというわけではないが、人と話をする機会は減ってしまうと思われ、今後、独居の家も増えることからも実態を把握する必要がある」ということを提言しました。

今年も廣瀬さんに助けられるような形で何とか発表まで辿り着きました。ありがとうございました。