平成28年第1回JASDIフォーラムに参加しました。テーマは「その医薬品情報は患者の為になっているか ~チーム医療における医薬品情報のありかたを考える~」でした。
今回は、ほんとにいつもお世話になっている、みのりカフェの鈴木信行(のぶ)さんの術後はじめての人前に出る仕事でした。傷口が癒えないのに大笑いさせたり、乱暴にあつかってごめんなさい。
初めに謝っておきます、、、
今回の目玉はのぶさんだけではなく、神奈川県内科医学会会長の宮川先生も登壇されるということで、わくわくでした。
のぶさんの話は先日参加した患医ねっと主催の「あなたは受ける医療をどう選びますか?~トンデモ医療を見分け最適医療を患者自身が選択するために~」のときの話をベースに、患者がほしい情報はインターネット広告に埋もれてしまっている話と医療者の患者の生活やナラティブ(物語)を考慮しない情報提供について指摘しました。
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また、宮川先生は患者さんに対して、医療連携携帯手帳をつくりビニールのチャックの袋に入れて渡しています。ここの中には処方された薬や検査データ、その他を一つにいれて、患者自身が自分で管理できるようにしている。また先生は一緒に薬を数え、誤差が出た薬について患者さんと一緒になぜ合わなかったかなどを考えています。その宮川先生は製薬企業の情報の偏りについて問題提起をしました。
また看護師の竹浪さんもがん治療において、健康食品を信じて薬を飲んでいなかった事例の紹介があり、病院薬剤師の東さんはコミュニケーションギャップについてお話がありました。
私は今回の話をきいて思ったことは、「医薬品の情報って『最終的には患者さんの健康に寄与するためのもの』であるということをどの人も忘れていないか?」ということです。
医療者が伝えたい情報を一方的に話をして患者が理解したつもりはインフォームドコンセントではないですよね。患者がほしい生活情報(医学的情報のそのさき)はおざなりになっています。またインターネットの情報がひどい状態になっていることに対して、そのままになっていることにのぶさんの指摘があるまで、感じることができない自分を含めた医療関係者にも問題があるし、製薬企業も健康食品などとの客観的な臨床データはほとんどなく影響すら提示できていない。本当に誰もが反省しなければならないことだらけです。
さらに製薬企業に対して言いたいことは、添付文書の内容しか情報提供しない姿勢は、製薬企業の患者さんの健康に医薬品の開発と情報提供で寄与するミッションから外れた行為だと思います。行き過ぎた販促が規制をつくっていることはわかりますが、本来の在るべき姿を忘れて適応外は話ができないというのはあまりにも本末転倒なプロモーションコードだと考えます。
そもそも適応外情報と安全性情報をごちゃまぜにして議論しているところに問題があります。添付文書の中にも適応外の情報は入っており、添付文書は文字数が限定されているから記載できない部分もあります。また添付文書の改訂までに至らなくても、市販後の臨床試験の結果など厚生労働省に出したデータだったら医療機関の求めに応じて公表しても問題はないはずです。それが企業としての姿勢ではないかと私は思うのです。
今回のフォーラムでは、そこまで議論はされませんでしたが、情報提供の在り方や医療者との付き合い方などまだまだ課題がたくさんあります。
今後も折をみて意見をしていきたいと思います。
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