実家のある名古屋から1時間くらいところなのですが、地方都市で1時間は遠いところです。そのため駅を降りたのは初めてでした。
朝のお散歩しにいったのは三重県護国神社と四天王寺です。
今回の学会は自分の発表もありましたが、興味のあるテーマがたくさんあって、聞きにいけなかったものがいくつもありました。
第9回日本プライマリ・ケア連合学会
http://www2.c-linkage.co.jp/jpca2018/
人工知能、ポリファーマシー、地域医療や社会保障制度などの話を聞きながら、自分の知識のアップデイトしながら、いつものもやもやぐるぐるしてました。
最近のもやもやの第一位は医療化です。
医療化(medicalization)とは「以前は医療の対象とは見なされなかった、宗教、司法、教育、家庭などの社会生活のなかで起こっているとされてきたさまざまな現象が、次第に医療の対象とされるようになっていくこと。「落ち着きのない子ども」「子どもの成績不振」が、多動症、学習障害として認識されるようになったことや、妊娠、出産、死など、かつては家族、共同体、宗教によって担われていた現象が、今日では医療現場で取り扱われるようになっていることなどが医療化の例として挙げられる。」
製薬企業が新しい治療薬ができれば医療化はすすみます。またウェアラブルで様々な生体データをとることでも医療化はすすみます。データが集まり、基準ができれば人間はその基準のこっち側の人とあっち側のの人になってしまいます。しかし我が国の経済発展を考えれば医薬品の開発や技術開発は進めていかねばならないものです。そのような世界では新たな価値観が生まれるのだと思います。そして医療化は一方向のみにおこるものではなく、脱医療化というものも起こると言われています。そういったことを考えながら人工知能時代の人間はどうなるのかを考えていました。
もやもや第二位は「社会的処方(Social Prescribing)」です。
イギリスで行われている仕組みですが、「既存の医療の枠組みでは解決が難しい問題」のために、「地域とのつながり」を処方することで問題を解決するというものです。イギリスのことをもう少し知らなけばならないのですが、人間って地域とのつながりを紹介されれば健康になれるものなのかということです。これをするのは少なくとも田舎じゃないだろうなとか、日本人がそんなに自ら動くかな?という疑問とかを持ちながら、いまの医療保険とか介護保険などの状況も加えて考えていました。
そうはいっても答えがでるものでもなく、学会は色々な方との再会の場でもあるので楽しくお話もしていました。
私はポスター発表です。「人生の最終段階の意思決定支援のために行った当院の倫理サポートチームの地域包括ケア推進における活動」というタイトルです。
急性期病院に運ばれてくるときは意思確認できないことも多く、ACPは地域で療養中に行うのがいいとされています。当院でも同様のことが数多く起こっており、地域の医療スタッフの方とワークショップを行った時の内容を発表しました。
事前アンケートをとったのですが、患者・利用者の方と人生の最終段階について話をした経験のある方が多くいました。参加者の分布をみるとケアマネージャーの方が多く、生活のことを聞くとき何かのタイミングでお話されているのでしょうね。しかしその情報は診療情報提供書にはほとんど反映されませんし、ケアマネージャーの方々も患者さんの価値情報や生活などの情報を急性期病院で必要だと思わなかったという意見もきけたのはよかったことです。この地域の情報がうまくつなげる仕組みができれば患者さんに良い医療を提供できると思います。
津といえば鰻なのでちゃんと食べてきました。
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