2017年2月20日月曜日

赤ふん坊やとコラボ☆ラボ@津島市


2週続けて赤ふん坊やと一緒に旅をしてきました。今回は愛知県の津島市です。
津島市は自分のいとこが住んでいるところです。駅は名古屋駅から電車に乗るとすぐなのですが、残念ながらあまり栄えているところがないので車がないとちょっと不便です。

津島市ホームページ

企画をした津島市の福祉課の安藤さんとは、地域医療のシンポジウムで1年に1回お会いしており、また地域医療を育てる会の藤本春枝さんや平井愛山先生も津島市にお邪魔されているようで身近な感じで伺うことができました。

今回は「障がい福祉」を全体のテーマとして、テーブルでは次のようなテーマが話されました。
・まち(地域)で暮らすことに不安がある
・災害時、避難や避難所での生活に不安がある
・地域のイベントに参加したいが、参加できない
・障がい児の日常生活に不安がある
・障がい者と地域の情報共有が難しい

コラボ☆ラボでは障がい福祉は初めてのテーマです。私も昨年の後半から興味を持ち始めたテーマなので、どんな話が聞けるのかとても楽しみでした。参加してくださった方は福祉課の方、地域のボランティアの方や病院ソーシャルワーカー、障がい施設の方、当事者の方やそのご家族の方などです。もう少し当事者の方が参加されているといいのですが、この地域で障がい福祉の話をいろんな方とすることがなかったとのことで、非常に意味のあるワークショップでした。

グループでの話でもあったのですが、人の性格が様々のように障がいはあまりにも広く種類もたくさんあります。ある意味では個別化せざるを得ないのですが、制度はあまりにも画一的です。しかし制度だけではなく、まちで何ができるのか、きっとそこが大事なんだと思います。その時のいまの課題は大きく2つだと思いました。ひとつは「障がいを持つ人との出会いの機会」もうひとつは「相談窓口」です。

「障がいを持つ人との出会いの機会」は、障がいを持つ人が何を考え、どのようなことに困っているのか。どんなことが出来てどんなことが出来ないのかを、まず知ることから始める必要があると思います。グループワークの時、「障がいを持つ人に話かけても隠すように逃げられる」「余計なお節介をして嫌がられるのもどうかと…」とお話しされた方がいました。きっとお互いコミュニケーションの取り方がわからないのですよね。

障がい者の方やそのご家族だって助けてほしいことだってあると思うのです。障がいを持つ人が少しでも地域の人を知り合う機会があれば困った時に「助けて」が言いやすくなると思います。「助けて」を言うのはどんな人も勇気が要るし、どうやって「助けて」を言えばいいのかわかりません。それに障がいは身体障害以外に、内部障がい、精神障がいがあります。どれも助けてほしい時があるけどその障がいが分からないと助け方がわかりません。そんな時のコミュニケーション方法はやはり実戦で学ぶことが一番だと思います。私個人は、障がいだから健常者だからという括りはしないのですが、慣れない人はまずは知ることからだと思っています。地域のイベントの企画を一緒にするなど社会参加を促すことも必要だと言う話も出ました。

もう一つの「相談窓口」はこれは確かに難しい問題だと聞いていて思いました。手続きと、アセスメントと、ぴあサポートの話が一緒になっていました。この仕組みが一番大変ですね。行政は定期的に担当者が変わるし、それぞれの専門はいても総合的にわかる人がいません。一つの窓口にしたりとか情報共有できる仕組みなど、これこそまち全体で考えて行かなければならないことです。もし災害が起こったら?情報はどこに集まるのだろうか。これは障がい者の話だけではないですよね。やはりこれも出会うことから始めるべきなのだと私は思います。

短い時間でしたが、改めて考えるべき問題が多いと思いました。しかしこの地区は「障がい福祉」をテーマにして多くの方が興味を持って集まっていることが何より素晴らしいです。これをきっかけにどのように変化していくのかとても興味深いです。

今回も赤ふん坊やは大活躍でした(^^






2017年2月19日日曜日

地域包括ケアと薬剤師


医桜の勉強会「地域包括ケアしっかり勉強する会」で「地域包括ケアと薬剤師」というテーマでお話させていただきました。私と水さんという、いつもの爆弾コンビでお話をさせてもらいました。

私がここで一番伝えたかったことは「薬剤師よ!いざ立ち上がれ!」です。薬剤師の方たちに対して患者さんを含む市民の方の多くはあまり薬剤師の存在価値を認識していないように思えます。実際に「なんで薬を出すだけなのにこんなに時間がかかるんだ」とか「説明が単調」とかいうことが聞かれます。実際私もそう感じたことは多々あります。しかし調剤された薬を出すまでに調剤から監査までをしていることを聞くとある程度仕方ない部分もあります。彼らの仕事は仕事として、ビジネスという視点で彼らを見たら本当に可能性はたくさんあります。そんな可能性を感じて欲しいというのが私の意図でした。

薬剤師は医療の知識もあるし、薬局は経営の仕方によっては保険制度に縛られない自由もあります。しかしなぜか保険制度の中だけの発想が強いと感じています。多分、それはこれまでの医薬分業の歴史的背景とヘルスケアにおいて医療が中心であったことに原因があると思います。

ところが今の世の中は急性期疾患から慢性期疾患へ疾患構造が変化しています。それに伴いケアの側面がどんどん大きくなり、医療機関という閉じられたものから生活という幅広いところが守備範囲になります。薬局経営は市場が広がる分、ビジネスチャンスが多くなると考えます。しかし薬剤師の方はなかなか従来の枠から飛び出て来ません。彼らの埋もれた能力はそのままにしておいたら社会の損失です。そんな状態をなんとか変えたいというのが私の思いです。

私のプレゼンの資料はFBグループにあります。
・地域包括ケアや医療制度を学ぶ集い
また、参加者の方が内容をグラフィックレコーディングしていただきました。

薬剤師の方の特性としてとても真面目な方が多いと思います。しかしその真面目さと薬理作用というミクロの世界が時に他の職種の人や患者さんに理解されにくいところがあると思います。少し視点が変わればきっと世界は変わるのではないでしょうか。

今回参加していただいた方は薬剤師以外が多かったです。その方たちの反応を見て、薬剤師の人から変わるのが難しければ周りから変えていけばいいんだということに気づけたことが最大の収穫だったかもしれません。

2017年2月16日木曜日

世田谷の多職種連携の会に参加してきました



お友達に誘われて行って来ました。東京医療センターの周辺地区なのでどんな方々が活動されているのかな?と興味津々でした。

今回のテーマは「歯科衛生士」でした。

人が生きて行くためには食べていかなくてはなりません。食べるという行為は生命維持だけではなく、楽しみとしての食べるということもあると思います。そして食べるためには歯が必要です。また歯をくいしばることができないと大きな力を出すことができません。そんな歯を守り、口の中を衛生的に保つお仕事が歯科衛生士さんです。食べるという面から嚥下リハにも関わっている職種となります。

お話を聞いた後のワークでは事例をもとにそれぞれの職種でどんな関わりができるかということを話ししました。事例をもとにお話すると色々な視点や知らないことが聞けて面白かったです。患者さんの事例を伺うとやはり食べることや歯の大事さに気づいていない方が多いんだろうなと感じました。ケアする人がその重要性を知って、いろんな職種からのアプローチで健康をサポートする体制が大事だと感じました。

それ以上に参加できてよかったのは世田谷の医療の様子や現場の話を聞けたことです。実感として地域の医療が感じられました。詳細は書きませんが暮らしと医療がまた身近になってきたように思います。



2017年2月11日土曜日

コラボ☆ラボ@千葉市緑区



今回の赤ふん坊やとの旅は近場の千葉県でした。緑区にある鎌取です。東金よりは東京寄りですが船橋より先です。外房線です。

稚内市の時とはまた雰囲気も違いますね。ご当地風土や文化の違いを感じます。それも全国を回って感じられる良いところです。

千葉県は自分も馴染みがある場所ですが、知らないところはいっぱいです。鎌取はニュータウンとして栄えており、駅前にイオンもあったりします。今回イベントに参加した方の話も伺うと社会的な資源は揃っているとのことでした。新しく住み始めた若い世代と従来の世代ではまだ十分な交流はできていないと思われます。

毎回、コラボ☆ラボではテーブルごとにテーマを決めてワールドカフェをするのですが、今回のテーマは以下の通りでした。テーマは現地の企画側にあげてもらっています。

○健康なうちから医療や介護に関心を持てない?
○突然の医療と介護への備えがない?
○健康寿命がのびない?
○男性高齢者などの社会参加が難しい?
○楽しく集える場所が不足している?
○多世代の交流が不足している?
○組織や部門を越えた情報共有が難しい?
○住民と専門職との連携が難しい?

私は楽しく集える場所が不足している?というお題の席のファシリテーターをしました。


参加者は60名くらいでした。人数も多いですし、年齢層も若い方が他の土地よりも多かったです。

みなさんとお話をしていて、当然ですがみんな将来のことを考えているんですよね。人と繋がることや居場所の作りや性差によるコミュニティ参加の問題、、、
それを一足飛びには解決はできないですが、こうやって集う場があるだけでも全く違うし、すでに継続して行われているカフェなどもあります。そういった小さな活動の積み重ねが大きな畝りになっていくのでしょうね。

若い方が高齢者になるまでもう少し時間があります。今から活動を続けていけばまだまだやれることがたくさんあります。数年後どうなっているのを知りたいな〜なんて思いました。

本当にこういう会に参加できて私は幸せだと思います。色々とご準備いただきました現地企画者のみなさま本当にありがとうございます。お土産までいただきまして本当に感謝です。

赤ふん坊やとの旅はまた来週もあります!とても楽しみです。



2017年2月6日月曜日

Dカフェ「人工栄養について」に参加しました

ちょっと(←じゃない!)書くのが遅くなってしまいました。

東京医療センターでは毎月第2水曜日にDカフェ東が丘が開かれています。せっかく病院で仕事をさせてもらっているので、時間の都合がつけば参加することにしています。
http://d-cafe.kazekusa.jp/

Dカフェとは目黒区を中心に活動しているNPO法人Dカフェまちづくりねっとワークが主催する認知症カフェです。介護経験者の方などが運営しており、介護を受ける当事者だけではなく、その家族も含め誰でも参加できる場を作っています。病院の中以外には自宅だったり工房だったりと様々なところで人が集まる場があります。

昨年12月が倫理サポートチームの医師がミニフォーラムでお話をされました。今回は「人工栄養の違いについて」ということでした。ちょっと重い内容が続いていますね。

人工栄養は口からご飯が食べられなくなった時の手段として①経腸栄養と②非経腸栄養があります。①の経腸栄養には胃ろう、経鼻栄養があり、②非経腸栄養には中心静脈栄養、末梢点滴栄養、持続皮下点滴があります。それぞれにメリットデメリットがあるのですが、参加された市民の方はこれらの違いについて、あまりよくわかっていないのですよね。例えば胃ろうは延命治療だからよくない、などです。他の選択肢について聞いたことがないことも見られます。ミニフォーラムではそういった違いを知り、わからないことを医療者に聞くことができる点が良いところです。

このDカフェのミニフォーラムは市民の方がいらっしゃるので、生の医療に対する声が聞けます。市民の方が話は、ご自身のして来た介護での選択はこれでよかったのだろうかという迷いや今後への不安だったりします。命への考え方や介護に対する考え方、本当に様々だと改めて感じます。私は私の考え方があるのですが、自分以外の人の考えを聞くことは私にとって本当に学びが多いです。

「できるだけのことをしてあげたい」これは家族の想いです。でも、できるだけってどういうことなんでしょうか。医療行為が時に患者を苦しめてしまうこともあります。「口からご飯が食べられない」というのも様々です。いっときのことなのか、嚥下機能の問題なのか、回復する見込みがあるのか、ないのか。

事前に考えておくといってもやはり限界があると思います。しかし目を背けることもよくありません。医師と患者という関係ではなく、専門家と一般の人という立場で一緒に考えていくことを積み重ねていくことは大事なことだと改めて思いました。

また、次回のDカフェにも参加する予定です。次回のテーマは「ユマニュード」です。