2018年2月16日金曜日

調剤報酬改定をきっかけに思ったこと


本文とは関係なく、ふとみたら梅が咲いていたのでパチリ。

今年の春は診療・介護報酬同時改定です。ということは当然、調剤報酬も改定されます。

今回の変更は多少、順番や進行速度が違っているものの、国が言っている地域包括ケアを推進する流れを大きく受け、そこで必要な事柄で予定されている項目は順当に制度や報酬改定が動いています。門前で処方箋待ちだけをしているところにとっては厳しいと感じるかもしれませんが、保険診療を収入源にしているのであれば保険診療全体のニーズに合わた経営をすべきだと思います。もし別の方法で医療に貢献したいと思うのであれば、公的保険以外のビジネスを組み合わせて事業継続をするべきだと私は考えています。あえていうなら、方向性はもうだいぶ前から示されているのだからその準備をしていないほうが経営的に問題なのではないかということも言えます。

そういったことも含め私にとって調剤薬局ってとても不思議なクラスタです。ろいうのは薬局が調剤報酬を漏れなく、しっかり、取りたいと思っているとは思えません。

例えば、かかりつけ薬剤師管理指導料を積極的にとっているのは大手チェーンであり、多くの薬局はとっていません。ではとっている薬局がしっかりかかりつけ機能を果たせているかというと患者側の立場からすると実感はありません。また休日・夜間加算も厳密にとっている薬局とそうでないところがあります。理由を聞くと門前の医療機関の診療最終の分が時間を回ってしまったらと言って途中から金額がかわるのはおかしいのでとらないと答えた方もいました。どちらも医療で患者さんからお金を取ることを避けているのですが、ちゃんとやるべきことをしているなら胸をはって取ればいいはずですが、そう考えていないかたも珍しくはありません。このことから感じたのは、もしかしたら医療機関・介護施設に比べると違った意味で正しく数字として評価されていないのかもしれないと感じました。

客観的にみて調剤報酬改定は決して悲観的な内容ではなく、不正をせずにやるべきことをやっているところは調剤報酬上では悪くない内容だと思います。もちろん様々な変更すべきがあると思いますが、全く手が届かないものではないと思います。むしろ薬剤師に期待をしています。

重複投与・相互作用防止加算では、今回新たに残薬調剤以外の場合に40点がつきます。本当は点数などつけなくてもやってほしいことなのですが、医師に対して処方の内容に踏み込むことを応援しているとも取れます。それを医師側が認めている改定です。

地域における役割についてはより積極的に関わることを求められています。特に地域支援体制加算をみると在宅看取りを積極的に関わることをが必要なのだと感じます。一般病院の緩和ケアチームの対象となるものががん以外に重症心不全も新たに入っています。在宅ではがん末期が診療報酬の対象ですが、だんだんと緩和ががん以外にも広がりをみせるようになることが想像されるので、当然麻薬等を使った薬物療法は地域でも必要になってきます、多死時代を迎えることを考えるとここ数年で体制を整えるための報酬での誘導なのだと感じています。

もちろん全体を俯瞰して考えることも大事なのですが、地域や職種などで問題が異なります。全体の議論とそれぞれの立場では全く議論の見え方が違ってきます。特に薬局はマクロで捉えすぎてもわかりにくいので個別に考える必要があると思っています。なかでも報酬関係は経営に直結するので個別性も高く、改定についてよいともわるいも言いにくい。

そういった前提がありつつも、やはり、薬局経営には本気の「覚悟」が必要だと思う。

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