2018年5月5日土曜日

遺伝子検査ってしたい?



先日Gattacaを見ました。1998年の映画なのですが今の世の中を考えるにはとてもいい映画でした。

遺伝子操作により、優れた知能と体力と外見を持った「適正者」といい、一方、自然妊娠で生まれた「不適正者」という社会。「不適正者」は社会的にも差別されていた。主人公ヴィンセント(イーサン・ホーク)は、「不適正者」として産まれた。弟アントン(ローレン・ディーン)は「適正者」だった。その主人公が「適正者」になりすまし、宇宙を目指すお話です。


先日、こんな記事がネットにありました。

自閉症の科学6: 遺伝子の変異による発達障害を胎児期に治療する(YAHOOニュース2018年5月4日)
タイトルは自閉症とありますが、ここで紹介されている論文はX染色体連載低発汗性外胚葉異形成症(XLHED)と出生前診断された胎児に対して治療を行うものです。

またこのような記事もありました。
認知症の原因物質減少を確認 理化学研、ゲノム編集で(東京新聞2018年5月4日)
受精卵をゲノム編集してアミロイドベータがほとんど蓄積しないマウスを発見しました。

皆さんはどのように感じますか?

最近は簡単に遺伝子検査ができるようになってきていますが、自分の遺伝子を調べて病気の予防をしたいですか? アンジェリーナ・ジョリーは健康なのに乳がんのリスクが高い遺伝子をもっているからといって乳房を切除してしまいました。

また生まれてくる子供の出生前診断について病気や障がいのリスクなどもわかるようになってきていますが、それに対して妊娠中絶がくらいされているか明らかになっていないというのもあります。

がん治療において特定の遺伝子型に対して効果の高い医薬品を使うための遺伝子検査は歓迎しますが、出生前診断については私はすべきではないと考えています。デザイナーベイビーも技術的には凄いと思いますがそれを臨床に適応すべきとは思いません。

技術がどんどんすすんできているのに、その使いかたに関する議論がなかなか進まないのがとても気になっています。

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