ファイザーヘルスリサーチ振興財団のヘルスリサーチワークショップに参加してきました。
正解も、途中の制約もほとんどなく、ただテーマを与えられ、グループに分かれてディスカッションをしまとめ上げていくワークショップです。
今回のワークショップのテーマは「”ビジョン”をつくるヘルスリサーチ」でした。
非常に漠然としたテーマで、いったいどんなグループの発表になるのか全く想像がつかないなかにスタートしました。
厚労省の出した保険医療2035もビジョンです。個人レベルのビジョンもあります。
このようにどのレベルのビジョンなのかも曖昧で一体ビジョンって何?から議論はスタートしました。その過程のなかで、ビジョンはそもそも要るのか?とかという話もでてきました。
国からのビジョンってどうなの?予測できるものと予測できないものがあるけれど、日本の人口は減少するであろうと予測は容易に可能である。見たくないものと見たいものもあるのではないだろうか。
そんなぐるぐるがずーっと続いていきました。
誰のビジョン?いつのビジョン?など私たちのグループも迷走をしていました。
ところが、みんなが突然閃いた瞬間があったのです。
それは始め、トーキングスティックのかわりにしていた「ピンクのキノコ」を使って状況を説明していたときです。伏線として、人は同じものを見ているようで見ていない、海をみて「きれいだね」「そうだね」と答えても片方は太陽が沈むのを「きれい」と言っていて、もう一人は波をみて「きれい」と言っているかもしれないということを話していました。
それをさらに説明を深めるために、このピンクのキノコをみてみんな同じようにはみていない。そして感じ方も違う。ある人はピンクのカサで可愛いと思うかもしれないし、ある人は毒々しいしこれはキノコではないと思うかもしれない。
そういうことを話をしていました。
その後、グループメンバーで引きこもりの支援を秋田でしている人が引きこもりから抜け出せた事例のなかで個人がどうやってビジョンをつくっていったのかを話してくれました。それをピンクのキノコを引きこもりの人として見立てて理解を深めていったのです。
だんだんキノコのキャラが理解でき、そしてそれがどういうことなのかをみんな共有していく実感はこれでも十分ありました。
さらにもっとみんなと体験を共有できた瞬間がありました。それは、そのキノコにスイッチがありキノコが光ったときです。
スイッチON! みんな口々に「すごーい」「すごーい」「まさか光るとは!」
ピンクのキノコの見方が変わった瞬間をそこの場にいた人が共有したのです。この体験の意味をみんなで話し合い、ビジョンができていくプロセスを理解していきました。
この瞬間はほんとにみんな楽しそうでした。
あらためてチームのビジョンってこうやってみんなで作業をして、擦り合わせていく作業なんだと実感しました。
気づく瞬間を積み重ねていくと、ぼんやりしか見えなかったものがはっきりと見えてきてそしてピントが合っていく。動きだすとピントが合うんだな〜 なんて思いました。
今回のグループワークでは、合意形成を繰り返して最終成果物をつくります。ビジョンが見えてその後の合意形成の過程も興味深かったです。
そこにはビジョンが共有されている。時間という制約のなかでみんなそれぞれの役割があって、いつの間にか分担していて作業している。
「これってこんな感じ?」「もう少し削らないと時間におさまらないよ」「ではこんなのは?」「うん、いいね〜」
ビジョンって同じ方向に向かっていくためのものなのですね。
でもそれは国から具体的なものが降りてきたら、楽しくない。「言われるから」、「決まりだから」では動けないし、動きたくない。
みんなで、わははと笑いあって一緒に何かをつくるからビジョンが活きるのだと思います。
私たちのグループの発表内容は、また後ほど書くことにします。