2017年9月25日月曜日

障がいって?


医桜主催「地域医療をしっかり勉強する会」の第16回は「障がいと地域包括ケア」でした。今回のゲストスピーカーは成澤俊輔(NPO法人FDA 代表理事)さんでした。
地域包括ケアにおいてマイノリティである障がい者を私たちはどう考えて行くべきか、そんなことがとても気になってこのテーマを提案したら、医桜の溝口さんが彼を紹介してくれました。

彼の話は圧巻でした。彼のTEDの動画です。話の根幹は同じなので、この動画をみてもらうのがいいと思います。


彼は自分でちゃんと自分と向き合い「今」を生きている人だと思いました。だからこそ障がい者ではなく障がいという個性を持った成澤さんなのです。
プレゼンの中で医療者や支援を仕事とする人は目的と手段を逆にしてしまっているという言葉がありました。その通りです。

「点字を覚えるといいよ」「白杖を使うといいよ」「パソコンが使えるといいよ」
それは間違いではないけれど、彼が欲しかったのは杖をついて出かける場所がないことや点字を覚えてやり取りする人がいないことなどの方が問題だったのです。
そんな彼に「点字を覚えるといいよ」はある種、傷つく言葉だったのではないでしょうか。その時の彼にとっては自分の将来などの方がずっと大事なはずです。

目が見えなくなる不安。。。両親・友達はずっと自分の側にいてくれるのだろうか?自分は社会の中で生きていけるのだろうか?究極は自分は本当に愛されているのだろうか?決してこれは障がい者だけではなく、人であれば誰でも思う感情です。

しかし医療者は悪意を持ってそんなことを言ったのではなく、彼の将来のためにできることを教えてくれていると思います。でもその思いは相手の状況においては受け取れる時と受け取れない時があることを理解しておく必要があると思います。アドバイスしても問題解決になっていないからといってそれらの方法を伝えないことではなく、もう一歩深い部分に耳を傾ける必要があるのです。

社会の中でマイノリティの人たちがいつも悩むことは、「どんな自分であっても愛されたい」という人なら誰でももつ感情からくる不安です。その「愛されたいという自分」が障がいによって「自分」を揺がすのです。この感情はや病気、老いと言った健康を害するものであっても近い状況になると思います。障がいをもつ彼が悩んだ将来に対する絶望、健常に対する嫉妬などは今回語られませんでしたが、どん底まで行き着かないとあの力強さ、明るさは出ないと思います。

彼はどん底まで落ちた自分の心にちゃんと向き合ったからこそ、「働くこと」や「社会との繋がり」の本質が見えており、その結果、今のNPO法人FDA(Future Dream Achievement)があるのだと思います。

この会社は障がい者就労支援をしているのですが、このNPO法人は助成金に頼らず、ビジネスとしてマネタイズすることができています。もちろん楽ではないと思いますが、障がい者を弱者として考えるのではなく、その人のできる能力と仕事をマッチングさせています。成澤さんの言った一言「自分たちは障害者総合支援法が明日なくなっても困りません」驚きとともに尊敬しました。

法律や制度は組織や人を規定してしまいます。しかし、人はみんな同じではありません。これまで経済が成長してきた時代は制度を拡充する形でその凸凹を埋めようとしてきました。それも限界にきている今、制度におんぶに抱っこはやめるべきと私は考えています。そのような考えの中、障がいを持っていても社会と繋がっていける良い事例だと思います。いつか実際にFDAの会社見学に行こう考えています。

社会と繋がること、集団の中で生きることを改めて考えることができました。このような話を聞ける機会に恵まれたことに感謝です。ありがとうございました。

2017年9月11日月曜日

「いつまでも美味しく食べられる街をつくるクッキングセミナー」に参加してきました

コンビニの幕内弁当がちらし寿司に早変わり。

三鷹の嚥下と栄養を考える会の「いつまでも美味しく食べられる街をつくるクッキングセミナー」で調理実習をしてきました! 
とても楽しかったです。

上の写真が元の幕内弁当で、下が調理自習で出来上がったものです。
追加で使った食材は卵1個と豆腐、しいたけ、ほうれん草のおひたしだけです。
卵と豆腐は茶碗蒸しになりました。
調味料は酢、砂糖、塩、だしの素、醤油です。
普段、ほとんど料理をしない私ですが、準備されたものがあれば私もそれなりに作ります(笑)


介護食とか嚥下食などはあまり詳しくないので、今回の調理実習は本当に勉強になりました。とろみ材やゲル化材ってたくさんあって、それぞれに特徴があるので知ることって本当に大事だと思いました。


またミキサーを使った嚥下食も初めて体験しました。

(コンビニパンのフレンチトーストをミキサーにかけてプリンにするところ)

(シチューもどき・・)


今回、色々と体験させていただいて本当に勉強になりました。改めて食べることを考えさせてくれました。

私はあまり食には関心が薄いタイプだと思っています。そう思うのは周りに食べることが好きな人が多くいるため、彼・彼女らをみていると自分はあまりこだわりはないと感じてしまうのかもしれません。それでも食べる時間が変則的だったり、外食が多くてもある程度バランスを考えて自分の健康管理はしています。

その私が、ドロドロの嚥下食を食べた時に感じたことは「毎日これは辛いだろうな」です。ハンバーグをミキサーで撹拌してゲル化材を入れて成型しなおしました。もしかしたら自分で初めから作ったハンバーグだったら違うのかもしれませんが、レトルトのハンバーグの大味が目立っていまいち食欲が湧きませんでした。また食感って本当に大事で、ある程度ご飯もつぶがあるから美味しいのだということもわかりました。

( ゲル化剤でかためたハンバーグに焼き色をバーナーでつけてみました)

味は大味でも見た目を少し変えるとまだ食べられるのですが、介護の現場ではただ作業のように食事が出されて終わりなんてことも聞きました。

今回は香辛料はほとんど使わなかったのですが、コショウやクミン(カレースパイス)なども食欲が出るものを使うことをすると違うのでしょうが、きっと現場ではそんな気遣いもなくドロドロのものとかをただひたすら与えられているのでしょう。そのつらさが理解できたように思います。調理を実際にしてみてわかるのですが、確かにミキサーにかけたり、固めるために熱を加えたり、冷やしたりなど手間がかかります。その手間を惜しんで食事だからと言って口の中に食べ物を押し込まれる苦痛。介護職がよくないといっているのではなく、効率ばかり追い求めている経営者がよくない。

一年365日朝昼晩、食事をしなくてはなりません。生きるためには栄養をとり続けなければならないのです。それがずっと苦痛になるというのは、食に疎い私ですら想像するに易いです。

「いつまでも食べられる」というのは、どういうことなんだろうか。しばらく考えてみたいと思っています。

脱マニュアルはまだまだ


私が住んでいるマンションでは毎年防災訓練以外に発災時の連絡係の説明会をします。当マンションの連絡係は各フロアごとの安否確認をし、ブロックごとにまとめて本部に連絡をする役割があります。この連絡係は毎年変わっていくため毎年説明会をしています。やり方などは各マンション色々だと思うのですが、それを周知して本当に災害が起こった時にちゃんと機能させるというのはきっとどこも苦労していると思います。

災害時は、ある程度事前に想定していてもうまくいくかどうかは全くわかりません。しかし準備はしなくてはなりません。そこにあるのがマニュアルです。

今回説明会をしていて思ったのは、説明会にきてくれる人は本当に真面目で一生懸命な人なんだと思いました。質問を聞いていると着実に与えられた役割を果たそうとしているのだと思いました。

他にも「○○の方が効率的ではないか?」などの意見も出てきました。
しかし平常時と違い、どんなことが起こるか全く予想がつかないので必ずしもそれが可能かどうかはわからないのが災害時です。マニュアルにないこともしなくてはならないことも想像されます。

さらに出てきた質問を聞いてると、そもそも当マンションが発災時にどのようなことが想定されて、どのような資源があるのかということがわかっていません。でも仕方ないと思います。私も災害協力隊の役員をやるまでは同じ状況でした。しかも説明会や防災訓練すら参加したことのない人もたくさんいます。そうなると、小さなことですがマニュアルや看板の表記をわかりやすくすることなどをするのが精一杯の現状です。

脱マニュアルはまだまだ時間がかかりそうです。それでもちっちゃなことからコツコツとやっていきます。

2017年9月6日水曜日

若い人からみた介護保険


勉強会をしようという話のきっかけは、最近介護保険に関する引き合いも増えてきたとのことで、この会は普段、がんに関わる保険や保障を研究する会なのですが、公的な介護保険制度に関しても理解を深めようという話になりました。
そこで今回は私から介護保険制度について地域包括ケアも含めた形でお話をさせてもらいました。

参加されたみなさんは、20代〜40代なので介護保険についてはこれまであまり関心がなかったそうです。そして介護保険がスタートした時も当然もっと若いので、一体どんな保険なのかこれまでよくわからなかったという意見がほとんどでした。特に彼らは医療保険に関してはかなり勉強しているのですが、介護保険はわかりにくいということも話していました。もちろん私の説明が完璧ではないですが、医療保険と介護保険自体の違いが彼らの理解しづらさ繋がっていると思います。

一番印象的なのが、「医療保険も含めて日本の社会保障制度は本当に大丈夫か?」「保険として考えた時、どうなんだ?」という意見です。保険の性質を理解している彼らが「国を企業として見立てた時にこの保険制度って破綻してる」と言った一言に「じゃあこうすればいい」というものが私も見えてこない。地域包括ケアをすすめればいいという話だけでもないし、制度をいきなりドラスティックに変えるということも現状からすると難易度も高い。みんなと一緒に「うーん」って考えちゃいました。

彼らの意見は医療も介護もなんでもかんでも公的保険で賄うのでなく、公的な保険の補える範囲をしっかり決めて公的な保険を守るという考え方でした。

このメンバーはがんのサバイバーだったり、大きな怪我などで医療保険に助けられている人たちなので余計に医療費のことケアに対しての考え方なども自分なりの考えがあるな、というのは今回の勉強会とは別に思ったことです。

高齢化、人口減少社会も含めて何をすべきかはそんなにすぐに答えがでるものではありません。それでも考えるきっかけを作ることはできたかなという印象でした。

来年の3月には診療報酬・介護報酬改訂があるのでまた医療・介護に関する勉強会を実施しようと思っています。

2017年8月31日木曜日

神奈川県内科医学会・横浜内科学会 第3回MR研修会に参加してきました


MR1コンテストの翌日に神奈川県内科医学会・横浜内科学会 第3回MR研修会に参加してきました。MR1コンテストの審査員でお世話になった小野容明先生は横浜内科学会の会長です。

http://hamamed.jp/member/workshop/mr-3/

研修会は神奈川県総合医療会の講堂で行われました。内容は薬学に偏らず医学全般です。一通り講演が終わったあとにレポートを書く時間があり、その後Q&Aがありました。

参加しているMRさんとはお話しできませんでしたが、自社の製品以外の話題を彼らがどの程度理解できたのか、どのような行動変容が起こるのかはわかりません。なかには「休みの日にめんどくさい」としか思っていない人もいるかもしれません。自社製品の関連領域以外のことについては、製薬企業ではあまり教えることはしていませんので、プログラムにあった認知症と免許証のことなど、臨床現場での問題を聞けるはとても有難いことだとおもいました。

この研修会のプログラムを一日通して聞いて感じたのは明確な「自社製品の薬学的な話だけは聞きたくない」という間接的なメッセージと私は理解しました。

多くの企業の教育は教えたいことを細かく丁寧に研修を行います。ですので、こういった間接的なメッセージ対して、どれだけの人が気付けているのでしょうか。経験年数がある程度あって、医療者と十分なコミュニケーションが取れている人なら気付けるかもしれません。

研修会だけでは製薬企業と医療者の関係性が劇的に変わるのは難しいかもしれません。今後どのように神奈川県内科医学会・横浜内科学会が活動していくのか目が離せません。

2017年8月29日火曜日

第3回MR1コンテスト「人工知能に立ち向かえ!MR減少時代に生き残れるか」


去る8月26日に星薬科大学にてMR1コンテスト2017「人工知能に立ち向かえ!MR減少時代に生き残れるか」を行いました。結果は以下の通りです。おめでとうございます。

<最高殊勲MR(MVMR)>
吉田真幸さん(武田薬品)

<準MVMR>
上杉航大さん(サノフィ)

<特別賞・優秀賞>
石丸健太郎さん(協和発酵キリン)
岩堀光利さん(サノフィ)
歌川毅さん(中外)
大谷麻衣さん(フェリング・ファーマ)
鈴木草介さん(大日本住友)
濱島知博さん(GSK)

午前中の特別セミナーでは東京医療センターの尾藤誠司先生に「医療専門職の職能とプロフェッショナリズム~その現在と未来~」をご講演いただき、その後に実行委員メンバーとのパネルディスカッションを行いました。
午後から予選を勝ち抜いたファイナリスト8名がプレゼン、ロープレ、それぞれ3分の持ち時間で競いました。



ここからは裏方としての感想を書きます。
とにかく準備が大変でした。8名を審査するのでとにかくタイムコントロールが大変でした。多くの方が関わっているのでそれぞれの動きを把握しなくてはならないのですが、これがまた大変です。ファイナリストや審査員の誘導もありますし、いかに一方的にプレゼンするイベントが楽か毎回思います。ミスはあるものの本当に毎回無事に終わってよかったと思っています。ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

今回のファイナリストのみなさんを見て本当に若く、私がMRをやっていた頃を知らない世代なんだと改めて思いました。それとみんなプレゼン、ロープレに慣れていますね。研修の機会もたくさんあるのだと思います。ひとりひとりに対して述べることはないのですが、全体的な傾向として予め用意されたものを如何に伝えるかということには非常に長けているのですが、それ以外になると非常に弱い。

今回ロープレのお題になっている妊産婦への薬剤投与について薬剤師からの問い合わせについて、投与したいと言った医師の名前を聞くだけで患者さん像、投与の背景について聞くことができなかったのは非常に残念でした。ロープレという普段と違う設定ですし、自社製品ではなく架空の製品だっただけに緊張ややりにくさもあったと思います。しかしMRに質問があるということは患者の治療になんらかの可能性を探したいというニーズがあると思います。そこをちゃんと受け止めることをしないで添付文書にあることしか言わないというのはコミュニケーションをそこでブロックすることになります。

ただ、この添付文書に書かれていないことをMRが話をすることに関してはもっと根深い問題があるのでまた別の機会にどこかで書こうと思いますが、決してMRが悪いのではなく企業側の姿勢が問題だと思っています。今回はそれをわかった上でコミュニケーションという面に置いてあまりよいとは言えませんでした。

コミュニケーションとはお互いの意思疎通です。医療者が話していることとMRが答えていることがズレています。このズレはあまりにも大きいと私は思います。医療者にMRのことをわかってもらおうなんて思いませんが、MRがもっと医療者のことをわかってもいいのではないでしょうか。医療者が患者さんを見て、どう考えているのか、その職種によってどんな考え方の違いがあるのか、そして目の前の医療者個々の個性。。。

こういうものは研修では概念的なことしか教えることができず、自分で見て聞いて自分で感じてそして自分なりの答えを探さなくてはなりません。MRという仕事でなくともヘルスケア業界で仕事をしようと思うなら、現場で感じることをしなくては単なる机上の空論です。会社の研修だけではなく、医療の現場でおこっていることをもっと自分から知ろうとしないと機械に置き換わるのもそう遠くないと思っています。

人工知能と人間の違いは情報を入力する時に、人間は感覚器(五感)から感じることで情報をインプットしています。五感(もしかしたら第六感も?)の情報量は、やはりリアルが一番。人工知能は人間が入力した大量の情報を処理するのが得意です。しかし五感の情報を統合して自分なりの答えをだすというのはまだ人間だけのものです。

もっともっとMRの人たちは医療現場を「感じ」て欲しいです。同じ環境でいるとアンテナは鈍ります。刺激を受けにどんどん飛び出して欲しいと思っています。

みなさんお疲れ様でした〜〜〜

2017年8月20日日曜日

ジャパンキャンサーフォーラムに行ってきました



ジャパンキャンサーフォーラム2017に行ってきました。

様々ながんの最新情報のアップデート、近年のがん医療の現状と課題、正しい知識と情報を、広くがん患者・家族、市民に普及・啓発するために行われているキャンサーネット主催のフォーラムです。2014年からスタートしており、今年で4回目です。

数多くの患者団体、患者支援団体、企業が協力をしており非常に熱気のある会場でした。プログラムを見ても各種がんごとの理解を深めるものや、がんに罹患して起こる諸々の困りごとに関することを専門家から話が聞けます。

がん患者の数は年々増えています。しかしがんにかかったことがない人からするとまだまだ遠い話としか感じられないのかな?なんて思います。こういった話はまだがんになっていない人に聞いてもらいたいです。

インターネットの中の情報は玉石混淆です。そこから間違った知識で自分の考えてる医療が受けられなくなってしまうこともあります。そういうことがない世の中になって欲しいと思っています。