2016年2月1日月曜日

キノコのけんちゃんビジョンをつかむ


ヘルスリサーチワークショップの発表と自分の感じたことを書こうとおもいます。

プレゼンテーションタイトルは、「キノコのけんちゃん ビジョンをつかむ」です。はじめにスライドを使った寸劇+解説という流れで5分のプレゼンテーションでした。

主人公はグループワークで使っていたピンクのキノコです。
キノコのけんちゃんがひきこもりになってしまい、インターネットでみつけた「ふらっと」でエリンギおじさんに出会い、自分の価値をみつけ「ハンドマッサージで人を癒す」という自分のビジョンをつかむまでのストーリーです。グループメンバーのロザリンのひきこもり・不登校自立サポート事業での本当にあった事例を下敷きにしています。
http://www.h4j-hikikomori.blogspot.jp/
https://www.facebook.com/hikiyaya



第1段階:自分自身もビジョンも見えない
キノコのけんちゃんは自分と他者との間で、みんなと違うことに劣等感があります。
さらにその違いを親にも指摘され自分を失くしてしまいます。
そしてひきこもりになっていきます。

第2段階:気づく
ひきこもりのけんちゃんは偶然インターネットで「ふらっと」という変わったキノコが集まる場所をみつけ、そこで他者と交わるようになります。
そしてふとした言葉で、知らなかった自分に気づきます。

第3段階:ビジョンをつかむ
自分の違った面に気づき、視点が変わってきたけんちゃんがどんどんと気づきがふえていきます。そしてけんちゃんがもともと好きだった「人を癒す」ことと自分の特徴がつながり、ハンドマッサージをして人を癒すことビジョンをみつけました。

というものです。

個人のビジョンをつかむまでのプロセスを議論していきましたが、グループや組織であっても共通する部分が多いと感じています。

組織もビジョンが見えないときは、混沌としています。前には進まない状態です。それはそれぞれ見えているものが違ったり、言葉の意味づけが違ったりのなかで方向性も定まりません。

ところが、あるとき「!」と気づく瞬間を迎えます。このときには情報ということがキーワードで、「知る」・「理解する」・「他者とつながる」という要素がどんどん蓄積されていき、突然つながる瞬間が「!」なのです。

この要素がたくさんないと「!」は起こらず、どれかが欠けていても「!」は起こりません。

一つ「!」があると、それまでかみ合わなかったものが噛み合っていきます。「それはこういうことかな?」「そうそう」「もう少し」「全然違う」
すり合わせしながら気づきが増えていきます。

そう考えると組織であっても、個人であっても「自己と他己」との関係のなかでビジョンが生まれ、ビジョンは行動していくための地図や設計図なのかもしれません。






ワークを終えてあらためて「ビジョン」を考えてみました。
今回はビジョンをつかむまでの一つのプロセスをみんなで考えていきましたが、このプロセスは人によってどの段階かどの程度の気づきを得ている状況なのかバラバラなんですよね。このプロセスは間違ってはいないと思うのですが、人が多様である故にそう簡単にはいかないと思っています。地域包括ケアはまさにその典型だとおもいます。

私は国から出ている地域包括ケアの図に違和感がずーっとありました。それは在宅で過ごすことが良いことのように描かれているからです。それって価値観の押し付けじゃない?

確かにいまのままいったら我が国の社会保障は破綻してしまうことは容易に想像できます。しかし国のいうまま単純な地域包括ケアの推進が解だとは思えません。それははじめのキノコのけんちゃんのように夢すらもてていない市民もいるし、新種のキノコ市民もいるでしょう。新種のキノコが増えたらキノコの概念もキノコの生きるみちも変わってきます。

やはり国は良い未来をみせるのではなく、想像される良い未来と悪い未来までの考えられる道のりだけであとの選択はキノコ自身で考えるべきだとおもいます。キノコが考えられるようになるためには、やはりはじめのストーリーの「知る」「理解する」「他者とつながる」が必要なのだとあらためておもいました。


やっぱりピンクのキノコに毒されました。。。






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