2016年2月21日日曜日

かかりつけ薬局と薬剤師の役割 Vol.3 「次世代のPharmacy(総括)」


かかりつけ薬局・薬剤師の役割も3回目を終了しました。
とにかく、頑張ったと自分を褒めようと思っています。いまの薬局や薬剤師の状況を理解するところから始まり、制度の中でなにが起こっているのか、そしてなにが問題でなにが課題なのか、おぼろげながら見えてきたような気がします。

私の問題提起は「薬剤師はこのままでいいのか?」です。(ちょっと過激に煽りました)

私は、薬剤師の人たちはとても優秀な人たちだと思っています。彼らは知識もあります。資格という意味では、医師、歯科医師、獣医師、に並んで薬剤師は施設の管理者になれます。ところが医療の、特に臨床において、全くといって存在感がないと感じるのは普通の感覚ではないでしょうか。様々な制度が変わっていくなかで、「対物業務から対人業務」とわざわざ書かれてしまうほど人に向き合っていなかったんだと思います。

そんな人たちにむけて、患医ねっとの鈴木信行さん(みのりカフェのオーナー)から市民(患者)からみた薬局・薬剤師への期待を「こんな薬局に私はいきたい」ということを話してもらいました。

イベントは違いますが、彼の主張はこちらにもあります。
■これからの医療を支える薬剤師への期待(アピタル)

かかりつけ薬局や薬剤師に対して、一般の市民は「かかりつけ薬局ってなに?(存在に対する疑問)」からはじまるのに対して、薬剤師は「どうやったらかかかりつけ薬剤師になれるか?(調剤報酬をとれるか)」という発想と議論の違いがあり、議論のスタート自体が一緒に議論をすると頭のなかが混乱します。
これが制度はどうあるべきか?と議論した時に起こる空中戦の正体なのではないかと思います。

医療保険制度は、決して薬局を儲けさせるためのものでもないし、逆に利益を不当に搾取するものでもありません。私たちが病気になった時にみんなが医療を受けられるようにする仕組みのなかに存在するものです。また、違う言い方をすると、一般市民からみたら払うコストにうける薬局・薬剤師サービスに価値があるかどうかという視点でものを見ています。それは市場原理としては当然の考え方ですが、制度であったとしても、「安く良質な医療を受けたい」「もしサービスに満足するなら追加でお金をはらってもいい」というお財布感覚は必ずあります。「保険診療」という言葉で実際が見えにくくなってしまっているに過ぎないとも言えます。

このかかりつけ薬局は、厚労省からでている資料を見てみると、地域包括ケアの文脈のなかで地域で健康サポートをしていくことが求められています。つまり2025年問題のなか、私たち市民が望む医療の姿のなかにかかりつけ薬局があるということに気づくべきだと私は思います。この春の診療報酬改定は、単純にどのような選択をするかの岐路に立っているということなのです。

そこで、あるべき姿は?かかりつけ薬局とは?ということを議論しました。

なかなかこれまで考えてこなかったことを考えることは難しいですよね。やっぱりできない理由を探したり、自分を正当化させてしまうことはあると思います。私が投げかけた「変わらないといけないのでは?」これはみんなが考え始めるきっかけになった言葉かもしれません。

その時にでてきた言葉が「変わるということはどういうことなのか」「変わらないとどうなる?」「それは誰が?」「それは何が?」でした。

この時にそれぞれの感じる薬剤師の見え方が変化してきたと思いました。

そして議論のなかでは、機械化の未来も話をすることができました。技術革新が目の前にきた時に希望を見出すのか、それとも変われない自分を見るのか。まさに分岐点です。

「変わる」、「変わらない」、私はどちらの選択でもいいと思うのです。どうすれば自分の理想に近づけるのかを真剣に考えぬくことこそ必要なことだからです。そのためには、「今(現在)」をきちんと見つめるところから始めないといけません。

今回はそこまで議論で引っ張ることは時間切れで出来ませんでしたが、本来なら自分の姿がどのようなのか、向き合うことをしなければいけません。今回のゴールは「参加者が変化について何かを掴むという状態」を目指していたので目標には達成したかと思います。

思っていた以上の議論ができてよかったと思っています。この場の全てに感謝です。

やはり2時間は短いです。薬剤師がおもいっきりドロドロ自分の姿を見つめるワークしたいな〜、なんて思ってしまいました。機会があれば企画したいと思います。

今後はこれから考える予定です。

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