2016年2月1日月曜日

宮崎学さんの講演


もうひとつHRWネタいきます。
1日目に講演ありました。お話してもらったのは写真家の宮崎学さんです。

■宮崎学

この人は動物の写真を撮っているのですが、非常にユニークで本人は「自然界の報道写真家」と言っています。それはただ綺麗な自然の動物を撮っているのではなく、自動撮影カメラで人間が見えなかったものを見せてくれるものです。

クマやシカやサルやイノシシが最近出たというニュースを聞きます。先日も朝のワイドショーでもやっていました。皆さんはこれを聞いてどのように感じていますか?

なんでこんなところまで動物が下りてきているの?と思うかもしれませんが、実際は人間が想像している以上に動物は近くで生活しているのです。知らなかったので、本当に驚きました。



《シナントロープ》
(synanthrope, synanthrop。ギリシア語で syn-「共に」+ anthrôpos「人間」)
人間社会の近くに生息し、人間や人工物の恩恵を受けて共生する、野生の動植物を指していう。人工物には、庭、公園、田畑等も含まれる。人間の恩恵をうけて共生している 
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/03/07 03:29 UTC 版) 



これはたとえば、雪の時にまく融雪剤の塩化カルシウムは動物たちのサプリメントになっており、動物がそれを舐めて体調が良くなったり、妊娠が持続できたりすることによって増えていきます。これは無意識間接的餌付けの一種です。

他にも稲刈り後の田んぼも、昔は落穂ひろいをしていたが、機械で刈り取ってそのままにしているとそこに鳥がたくさん寄ってきます。これも無意識間接的餌付けです。都会のカラスもそうかもしれません。

動物は生きていくために食べているだけなんですよね。

あと知らなかったのは、昔、森の木はマキなどの燃料に使われていたため禿山が多かったのが、いまはマキは使わなくなったため緑が増えています。なんだか信じられないです。

自然のチカラはなんて人間の想像をはるかに超えて逞しく、したたかなんだと思いました。この増えてしまった動物たちは餌をもとめて人の近くにやってきて、集団で作物を荒らします。これは誰のせいなんでしょうか?

私たち人間たちのせいです。動物にはなんの罪もありません。人間ってなんて身勝手なんでしょう。自分たちのしてきたことに全く関心をもっていません。自分たちの見たいものだけしかみておらず、動物たちの生態を見ていません。

いまなにが起こっているかを知るためには、自分が見ているものが正しいのかを疑い続ける必要があるのではないかとおもいます。

これは自然の話だけではなく、社会で起こっていることも同じだとおもいます。
とても象徴的なお話でした。


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