ダイアローグ・イン・ザ・ダークに行ってきました。今回はファイナルバージョンでタイトルは「出発」でした。
http://www.dialoginthedark.com/
暗闇の中を8人のグループで進みます。はじめに白杖を渡され、少しずつ暗闇の世界にいきます。目を開けていても何も見えません。遠くから聞こえる音、匂い、触感を感じます。
なんだか暗闇は不思議な感覚です。ただ足元だけは転んだりするのが怖いので慎重になりますが、暗闇自体はむしろ私にとっては心地よく感じました。これも人によって感覚は違うと思います。視覚障がいの中でも全盲(全く見えない人)の世界はこんな感じなのかもしれません。
今回のテーマは「出発」でした。ファイナルバージョンなのに、なんで「出発」なんだろう・・・そんなことを考えていました。きっと終わりは始まりであり、旅立ちなんでしょうね。そして過去からの決別、解放と自由なんだろうと勝手に思っていました。でもあのアトラクションとどう関係するのかな。まあ、そこはそれこそ自由に想像しようと思いました。
見えない世界は想像や空想の世界。ここには何があるのかな?これはどんなものなのかな?常にそんなことを考えていました。でも目が見えていても見えていないものがあります。視覚情報以外の感覚で声と誰がどの辺にいて、その遠近などからでもかなりのことができます。一度脱いた靴が暗闇の中でちゃんと自分の靴がはけたのは本当に驚きました。
「今、私が見ているものはなあに?」「今、私はどこにいるの?」
暗闇の世界から出てもしばらく色々と考えています。ずっと考えているのは「時間」です。自分ではまだそんなに時間が経っていると思っていなかったのですが、もう80分経っていますよと言われ本当に驚きました。まだその半分くらいかと思っていたのですが、、、
時計がなければ時間はわからない。人間にわかるものは太陽が登って日が沈む。夏と冬とは昼と夜の時間も違う。時計や暦を作ったのは人間。生活の中で必要だったにすぎないのだけど、それに縛られているのも人間。「時間」という概念は人間が作り出しているということが実感できました。
視覚情報がないということは、見られないけど見られているということもない。それって私にとっては本当に気楽でした。見えるというのは見たくないものまで見えます。そして見られたくないものも見られてしまう。見えるというのは、私にとって疲れることです。そこから短い時間でしたが解放されたのはよかったです。
きっと飽きると思うけど、私は真っ暗闇で自然に聞こえる音に埋もれたいです。
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