去る8月26日に星薬科大学にてMR1コンテスト2017「人工知能に立ち向かえ!MR減少時代に生き残れるか」を行いました。結果は以下の通りです。おめでとうございます。
<最高殊勲MR(MVMR)>
吉田真幸さん(武田薬品)
<準MVMR>
上杉航大さん(サノフィ)
<特別賞・優秀賞>
石丸健太郎さん(協和発酵キリン)
岩堀光利さん(サノフィ)
歌川毅さん(中外)
大谷麻衣さん(フェリング・ファーマ)
鈴木草介さん(大日本住友)
濱島知博さん(GSK)
午前中の特別セミナーでは東京医療センターの尾藤誠司先生に「医療専門職の職能とプロフェッショナリズム~その現在と未来~」をご講演いただき、その後に実行委員メンバーとのパネルディスカッションを行いました。
午後から予選を勝ち抜いたファイナリスト8名がプレゼン、ロープレ、それぞれ3分の持ち時間で競いました。
ここからは裏方としての感想を書きます。
とにかく準備が大変でした。8名を審査するのでとにかくタイムコントロールが大変でした。多くの方が関わっているのでそれぞれの動きを把握しなくてはならないのですが、これがまた大変です。ファイナリストや審査員の誘導もありますし、いかに一方的にプレゼンするイベントが楽か毎回思います。ミスはあるものの本当に毎回無事に終わってよかったと思っています。ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました。
今回のファイナリストのみなさんを見て本当に若く、私がMRをやっていた頃を知らない世代なんだと改めて思いました。それとみんなプレゼン、ロープレに慣れていますね。研修の機会もたくさんあるのだと思います。ひとりひとりに対して述べることはないのですが、全体的な傾向として予め用意されたものを如何に伝えるかということには非常に長けているのですが、それ以外になると非常に弱い。
今回ロープレのお題になっている妊産婦への薬剤投与について薬剤師からの問い合わせについて、投与したいと言った医師の名前を聞くだけで患者さん像、投与の背景について聞くことができなかったのは非常に残念でした。ロープレという普段と違う設定ですし、自社製品ではなく架空の製品だっただけに緊張ややりにくさもあったと思います。しかしMRに質問があるということは患者の治療になんらかの可能性を探したいというニーズがあると思います。そこをちゃんと受け止めることをしないで添付文書にあることしか言わないというのはコミュニケーションをそこでブロックすることになります。
ただ、この添付文書に書かれていないことをMRが話をすることに関してはもっと根深い問題があるのでまた別の機会にどこかで書こうと思いますが、決してMRが悪いのではなく企業側の姿勢が問題だと思っています。今回はそれをわかった上でコミュニケーションという面に置いてあまりよいとは言えませんでした。
コミュニケーションとはお互いの意思疎通です。医療者が話していることとMRが答えていることがズレています。このズレはあまりにも大きいと私は思います。医療者にMRのことをわかってもらおうなんて思いませんが、MRがもっと医療者のことをわかってもいいのではないでしょうか。医療者が患者さんを見て、どう考えているのか、その職種によってどんな考え方の違いがあるのか、そして目の前の医療者個々の個性。。。
こういうものは研修では概念的なことしか教えることができず、自分で見て聞いて自分で感じてそして自分なりの答えを探さなくてはなりません。MRという仕事でなくともヘルスケア業界で仕事をしようと思うなら、現場で感じることをしなくては単なる机上の空論です。会社の研修だけではなく、医療の現場でおこっていることをもっと自分から知ろうとしないと機械に置き換わるのもそう遠くないと思っています。
人工知能と人間の違いは情報を入力する時に、人間は感覚器(五感)から感じることで情報をインプットしています。五感(もしかしたら第六感も?)の情報量は、やはりリアルが一番。人工知能は人間が入力した大量の情報を処理するのが得意です。しかし五感の情報を統合して自分なりの答えをだすというのはまだ人間だけのものです。
もっともっとMRの人たちは医療現場を「感じ」て欲しいです。同じ環境でいるとアンテナは鈍ります。刺激を受けにどんどん飛び出して欲しいと思っています。
みなさんお疲れ様でした〜〜〜