2017年5月15日月曜日

プライマリ・ケア連合学会③「利益相反」



利益相反とはある行為により一方の利益になると同時に他方への不利益になることです。

わかりやすく言うと、依頼者からの業務依頼があった場合、中立の立場で仕事を行わなければならない者が、自己や第三者の利益を図り、依頼者の利益を損なう行為のことです。医療者と製薬企業の利益相反とは医療者と製薬企業が関係を持つことで患者への不利益が起こることです。その関係を不適切な関係と言います。

今回のポスター発表は昨年実施した「「医療者と製薬企業の対等な付き合い方」〜総合診療医と元MRがホンネで語る製薬企業のプロモーションの未来〜」の実施報告を行いました。

ここで対等な付き合い方というタイトルにした理由は、医薬品が医療に使われないことはあり得ず、関係をゼロにすることは非現実的であると思っています。しかし不適切な関係の持ち方をすると患者の利益を損ねます。そのいい塩梅を考え続けることが大事なことだと思っているからです。

最近の話題でいうとディオバン事件、イグザレルト事件がありますが、製薬企業と医師との不適切な関係で問題になったことは度々あります。それをいろんな立場と視点で振り返りをしないと関係改善にはならないと思います。

製薬企業のMRも患者のためや医療に貢献したくて仕事をしています。そこで目先の売り上げ目標があるとそこに引っ張られてしまいます。また医療者も自分たちが客であるから偉いと思っている人や製薬企業から見返りをもらうことに慣れてしまっている人もいます。

その関係、適切ですか? 見て見ぬふりをしていませんか? 黙認は同罪です。

なかなかこの話題はいろんな立場があるので触れるのは難しく、このような発表をさせていただいたのもほんの小さな一歩です。患者さんにとって最善とは何かということを考えて仕事をしているので、私はその立場で意見を今後も言っていきたいと思います。

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