次に参加したシンポジウムはこちらです。
みんなでつくろう地域ケアレシピ集・第3弾~レシピを活用しよう~(地域ケア事例集作成 WG 企画)
座長:佐藤 元美(一関市国民健康保険藤沢病院)
座長・コーディネーター:井階 友貴(福井大学医学部地域プライマリケア講座/高浜町国民健康保険和田診療所)
企画責任者:井階 友貴(福井大学医学部地域プライマリケア講座/高浜町国民健康保険和田診療所)
中山間地の小規模病院の存続から考える「地域医療」
由井 和也(JA 長野厚生連佐久総合病院付属小海診療所)
さらべつほーぷ ~ 地域の子どもたちに対するライフスキル教育の取り組み ~
山田 康介(更別村国民健康保険診療所(北海道家庭医療学センター))
都会の住宅地における地域ケアの試み : その課題と展望
松村 真司(松村医院)
ここでは地域ケアの中山間部、僻地、都会によって共通する部分、異なる部分をそれぞれのシンポジストの取り組みから学ぶという趣旨です。この3つとも非常に興味深かったです。
中山間部での医療について医療が不足しているといった問題があります。しかし医療はどこに行っても必ず必要なものであるが、医療単独で成立するものではない。地域の衰勢と切っても切れない関係にあるというのはまさにその通りです。少子高齢化、人口減少により労働力の低下。すでに中山間地域はそこで働いている人のうち医療・介護職が閉める割合が高くなっています。そこに医療職ばかりを増やしてもあまり意味はなく、そこで暮らし続けることと新たに人材の交流も含めて考えて行く必要があります。
また、さらべつホープの取り組みも興味深かったです。小学校でライフスキル教育を実施した事例をお話いただきました。この事例の素晴らしいところは自分たちがやりたいことをしたというよりは、地域の課題を見つけてその問題解決の手段としてライフスキル教育をした事例です。未婚で母子手帳をもらいにくる人が多かったことや住民の様子から子供の教育に着目して地域の一員としての方法を考えていました。
最後に東京都世田谷区のケアは他の地区とはまた違った問題がありました。人口が多く、その中にいくつもの区域があり、地方と違って距離自体はそれほどないためその区域を跨って様々なものが交錯します。人口も二極化しており、介護度が高くなると地域の外に出てしまう。単純に数字だけ見ても地域の問題はわかりません。地域で活動している人も地域の外の人も活動に加わっており、地域の活動とは何を指すのか東京では地方と同じ文脈で語ることができないように思います。
これらの話を聞いて思ったのは、やはり地域の課題は地域でしか見つからないし、解決方法は住民が望むものでないと意味がないです。そのための地域包括ケアの推進と考えるべきで、それに対して行政、住民、商業などが連携して行く仕組みを作り上げることが本当に大事だと思います。そこで不足していると感じたのは取り組みをちゃんとビジネスにするという視点です。ビジネスとは何も金儲けではなく、その取り組み(事業)が継続できる仕組みのことをいいます。
「資金が苦しい」という話がやはり今回も出ており、取り組みをするためのスキルアップのための研修費用だったり、作業する手間賃などなんとかしたいといっていました。本当に必要なものだったら資金調達の方法を考えなくてはいけません。またこの話は別のところで書くつもりです。
「いいことだからそれを助けてくれる人を待っている」だけじゃダメだというのが私の考えです。
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