2016年6月9日木曜日

プロフェッショナル・オートノミーってどうよ


紫陽花もこんな色と形のものがあります。とってもかわいいですね。

最近やきもきしている問題があります。それは医師の専門医制度が今年スタートだったはずが、遅れていることです。

先日、「新たな専門医の仕組みへの懸念について」(要望書)が出されました。

それに対応して「新たな専門医の仕組みへの懸念について」(要望書)に対する厚生労働大臣談話が出されました。

実は要望書をだした人たちは専門医機構の社員という、、、

さすがにこの話は呆れました。

新たな専門医制度の仕組みについて

こちらにあるとおり、そもそもの視点は「専門医の質の向上」です。もちろん医師の地域偏在は現状としての認識はあった上での質の話だったはずです。
それがやれ認定のための研修施設が云々だとか、地域医療が云々だとかもういいです。

医師のプロフェッショナル・オートノミーという言葉を出して、結局「自分たちの好きにさせろ」と言っているようにしか聞こえないのが残念です。医師のプロフェッショナリズムにおける自律と、職業の自由と一緒にして議論するのは自己矛盾がでると思います。

なぜならば、医療の場合、もともとパターナリズムは医師の患者に対する思いやりや奉仕の心です。今は上から目線的に捉えられていますがけっしてそうではありません。医療の場合、プロフェッショナルな医師が患者に対して誠実であろうとすれば職業の自由という個人の自由に関する議論は本来成り立たないと私は考えます。パターナリズムという部分は省いたとしても、患者のため以外に利己主義な高い技術を持っている人をその職業のプロフェッショナルと呼ぶかというと呼ばないと私は思います。

とはいうものの、いまのご時勢、患者への奉仕をベースにという考えは古いし、職業としての自由は当然侵害してはいけないと考えますが、医療は公的な保険で成り立つ以上一定の制限は受けることは甘受すべきではないでしょうか。もちろん、がちがちに縛られることには反対します。現在の医療において「質」ってなんでしょうね。これは保険でカバーされる部分の話と同時にするべきだと私は思います。そうしないと客観的な評価ができないからです。

なんだか、悲しくなるような議論が続いています。患者や市民不在の議論はやめてほしいと思う今日この頃です。

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