2016年3月10日木曜日

研修依頼を思い出してみた


研修部にいた時に思っていたことを書きます。
前職の会社は研修体系がしっかりしており、導入研修、継続研修はそれなりに評価が高かったと思います。(もちろんばらつきもありますが)ビジネスをスタートさせるときも教育をセットで売り込むことも多かったくらいです。そうすると結構無茶なオーダーが多いんですよね。

「1ヶ月で即戦力に!してほしい」
あの〜、受講者のレベルを考えてください、、、それと即戦力の定義って何ですか?
と、思うことしばしば。。。
これは間違いなく研修部にいる方は誰しも同じことを思っていると思います。

研修でできることなんて、たかがしれています。なのに期待して自分の思った通りじゃないと研修が悪いとすぐ言います。

不思議ですよね。魔法か何かのように思っているのかな?といつも思っていました。

教育の目的は行動変容です。研修部は行動変容をさせるスキルをもつ専門家の集まりの部署だと私は考えています。必要知識のインプットは講師が一方的に話をする、もしくはテキストを渡せばいいので簡単なことですがそれだけでは人の行動は変わりません。それを手を変え、品を変えでトレーニングしていくのが研修部の仕事です。

多くの方は研修とか教育に一体何を期待しているんでしょうね?
必要知識のインプットだけならいくらでもできます。しかし受講者がインプットされた情報全てを記憶できるはずもなく、ましてやアウトプットして応用させるまでなんてそんなに簡単なことではありません。

こちらも角が立たないように依頼者に「具体的には何をどのようにしたいと考えていますか?」とか、「即戦力というのは、何がどのレベルになっていれば即戦力があると言っていいのですか?」と丁寧に聞きます。そうするとほとんどの人は答えられません。言語化できていないだけなら、私もきちんと確認の質問をしていくので、大変ではありますが、研修を考えるることはできます。一番問題なのは、「なんでもいいからできるようにしてくれればそれでいいんだよ。君らプロなんだろ。」という人です。完全に思考停止状態です。

こんな経験から、なにか問題があるとすぐ研修とか教育を持ち出してくる人たちはある意味丸投げなんだと私は思っています。ある程度、具体策を持っている人は何をどのようにをきちんと論理的に話をすることができることがわかっています。

それと「教育」はどこか特別な人がするものではないと思っています。誰だってできと私は思っています。教育研修の仕事をしておきながら何を言い出すのかと思われるかもしれませんが、教育の本質は「学ぶ力を育むこと」です。学びは本人が学びたいという気持ちがあれば、いつでもどこでも誰とでもできるものです。つまり誰でも「教育」はできるのです。自分の気づきや経験を伝えることも教育の一環です。学びたい気持ちにさせるのも別に教育のプロではなくても誰でもできますよね。

じゃあ、「研修部いらないね」と言われたら「方法論のプロなのでご相談にのりますよ」と少なくとも私は答えます。

教育や研修が必要だと思ったら、その問題について5W1Hに落として本当に教育研修が打ち手ですか?ということを再考することをお勧めします。

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