2016年3月6日日曜日

第4回くらしの講演会


地域医療を育てる会と東金市社会福祉協議会との共催でくらしの講演会が行われました。
今回のテーマは「なじみの店が閉店!そのときあなたの健康は・・・?」でした。
フードデザート問題を取り上げた講演会です。基調講演にあの幸手の中野先生にきていただきました。私は講師の駅から会場までの運転手で参加です(笑)

フードデザート(Food deserts)とは生活環境の悪化の中で健康的な食生活の維持が困難となった、都市の一部地域を意味します。単に買い物が不便という問題ではなく、社会的排除問題、社会格差の拡大や社会構造の変化、食育などが介在しています。

まさにタイトルにある馴染みの店が閉店することによりフードデザートはおこります。
人口が減少している地区で、採算がとれないからといってスーパーマーケットが閉店してしまい、これまで冷蔵庫がわりだったのに買い物が大変になる。そんなことが起こっています。

この動画は幸手の事例です。



人の健康は個人因子だけの問題ではなく生活環境等さまざまな因子が相互作用によって影響しあいます。スーパーマーケットの買い物を自分のこととして考えると、季節の食材をみて楽しんだり、そこまでいく間に他の買い物をしたりと結構たのしかったりするんですよね。それがなくなるとなるとそれはそれで生活が変わってしまうというのはよくわかります。

今回はその話を中野先生にしてもらったあと、じぶんの馴染みのスーパーごとにグループにわかれディスカションしました。私は東金の人ではないので、空いてるグループに入りました。そこが閉店してしまったら?ということで話をしたのですが、はじめはなかなかイメージがつかないようで、「車があるから他にいく」などと話していました。しかし車の運転ができなくなったら?「インターネットで注文する」、「コープで買う」などの意見が出てきました。あと「コンビニで買う」というのもありました。

まだまだ先のことだと思っていてもいずれやってくる自分の老いと人口減少による問題は簡単に答えはだせません。

東金にはデマンドタクシーというものがあるそうなんですが、一回400円だそうです。往復で使えば800円。買い物に毎回800円かかるというもの悩ましいです。配達やインターネット、コープの宅配だって大型スーパーよりも割高のはずです。しかし割高のものを使うといっていますが、安い大型スーパーでものを買っていたことで、馴染みのお店を失っていたことには気づいていません。

大量生産、大量消費、コストダウン。。。これまでやってきていた経済活動のツケが回ってきています。これに気づいたらどこかでこれをやめないといけないのです。

またかわりに買い物をしてきてくれる仲間がいないのも気になるところです。昔のおすそ分けもなくなりましたよね。なんでもサービスとなってしまい、経済活動に思いやりも埋め込まれてしまっています。

お金を地域でどうやって回すのかを本気で考えなくてはいけません。経済活性化という言葉を軽く使う方がいますが、本当に必要なところにお金をかけ、それが回る仕組みを考えなくてはなりません。これは右肩上がりの高度経済成長モデルとは全く異なります。

間違いなく車に依存した生活をしている地区は必ずこの問題がでてきます。いまは大丈夫とみんないうけれど、5年後は本当に大丈夫のか、よく考える必要がありますね。

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