2016年9月29日木曜日

製薬企業のプロモーションと倫理


写真と本文は関係ありません。

先日こんなニュースが流れていました。

この記事を読んで私はMRの情報の信頼性を疑われているのではないかと感じました。悲しいことですね。今回はちょっと私なりの製薬企業のプロモーションについて考えてみたいと思います。私は製薬業界にプロモーションという言葉はなくすべきではないかと思います。その辺を言及してみようと思います。

このプロモーションという言葉はマーケティング用語です。
プロモーションの目的は、顧客に認知をしてもらい、購買意欲を高めるために行うものです。いくら良い製品やサービスであっても、知らなければ使わないし、良いもの、便利であると思わないと使用ないのは当然です。プロモーションとは顧客の認知行動を分析し製品やサービスを良いものとして認知させる手法がプロモーションです。

企業がプロモーションを行う理由は売り上げをあげるためです。
企業が存続していくためには、存続していくためのコストをカバーする売り上げが必要なのは当然のことです。そう考えた時、製薬企業の販売促進活動自体は誰に咎められるものではありません。しかし、その活動によってちゃんと「患者のためになっているか」が大事な鍵となります。

「患者のため」という視点で考えた時、もしかしてプロモーションという言葉は不似合かもしれません。薬を使う状況はHAPPYとはいえません。言い方を変えると使えば使うほど製薬企業は儲かるかもしれませんが、つまりそれは病気の人がそこに存在し、他人の不幸を喜ぶことになってしまうことになります。本来、病気の人が健康になるために薬はあります。

製薬企業は患者や市民の健康のために貢献するために存続しており、それができなければ衰退することは仕方のないことだと思います。つまり正しく使うことを推進する(適正使用の推進)こそが製薬企業のあるべきプロモーションです。よって医療者に適正使用の推進を歪める行為を求められたら本来NOというべきなのです。

とても当たり前のことなのになぜできていないのでしょう。

それは医療者サイドにも問題があると思っています。独禁法でいう「優越的地位の濫用」に当たるような適正使用情報の推進とは関係のないものや協賛をねだってきたり、飲食目当ての勉強会なども依頼されたりします。それってどうなんでしょうね。よほどのもの以外は製薬企業側は表立って言えないです。「製薬企業はお金を持っているからこのくらい出してくれるよ」ということを何度も医療者から聞いたことがあります。製薬企業は金ヅルではありません。

製薬企業も医療者も一番大事な「患者さんにとって最善の薬剤選択」について十分に目が向いていないのではないかと思います。

もちろん多くの方が善良で患者さんのことを考えて医療を行っていると思っていますが、現場ではいろいろなことが起こっています。誰かが何かを言ったからと言ってすぐに世の中が変わるとは思いませんが、あるべき姿に向かって何かできないかといつも考えています。






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