2016年4月24日日曜日

人生の最終段階の意思決定とACP



今回のフォラームの2日目は人生の最終段階における意思決定支援に関するものを聞いていました。

加齢とともにフレイルティ(虚弱)が問題になります。人ってどうしても良かった昔に目を向けるのですが、人は年とともに弱っていくし、いつか死にます。そのときに自分はどうしていたいのか、どう過ごしていきたいのかを考えなくてはなりません。

なかなか想像もしずらいのかもしれません。
いつの間にかみんなが長生きする時代になってしまいました。
戦争もなく、食べられなくて困る時代でもありません。病気や感染症になってもなかなか死ぬこともできません。死んでいく人を目の前にすることもほとんどありません。

しかし、人は衰えていくのです。

自然に死にたいと思ってもかならず医療を受けることになる。
医療を受けなくてはならなくなったそのとき自分がどうありたいかなんて決められるものではありません。しかし人生の最終段階の医療にはその人が考える生活や幸せがなくてはなりません。医療に振り回される人生に私はしたいと思っていません。

だからこそ、元気なうちにどのようなことをしてほしいのか、して欲しくないのかを考え始める必要があると私は思います。

ACPは今回のフォーラムで話題になっているし、厚労省もACPの相談ができる人を増やしていこうとしているので、きっとここ数年で一気に広がっていくと思います。

ただいつも気になるのは、「よいこと」というのは、ときによいことを前提に人に対して侵襲的になってしまうことがあります。そうならずに自分が自分らしくいられるためのACP相談になるように世の中が動いていけるといいなと思っています。


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ACPとは「医療に関する事前の相談」という方がわかりやすいかと思います。これはAD(Advance Directive)を含む大きな概念となります。

AD:事前指示
「将来自らが自己決定能力を失った際に自分に行われる医療行為の意向を、意識が清明な時期に意思表示をしておくこと」
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