2016年4月9日土曜日

啓発的なものは苦手です


写真と本文は全く関係はありません。これは先日、家の近くで撮った菖蒲です。

福井つながり行動が止まらず、「つむぐもの」を見てきました。「つむぐもの」は福井県の紙すきの町、丹南地区が舞台になります。今月は福井月間(笑)なのでキーワード一致したら、可能であれば即行動です。
公式サイト http://www.tsumugumono.com

福井つながり以外にもこの映画は気になっていました。その理由は、わたしは頑固者って人として結構好きなんです。他の人が苦手でもなんだかそういう人に興味が湧きます。
この映画は、頑固者の紙すき職人の剛生(石倉三郎)がある日、脳腫瘍による麻痺で介護が必要になり、紙すきの手伝いと勘違いして日本にきたヨナ(キム・コッピ)がヘルパーになり二人が心を通わせていくお話です。ネタバレありなので映画を楽しみにしている方は、見てから読んでいただけたらと思います。

正直に言うと、本当はもっとこの頑固者の心の中を描いて欲しかったと思います。言葉はあくまでもコミュニケーションの手段なので、そばにずっといれば外国人であっても心を通わせることは可能だと思います。いくつかエピソードはあるのですが、全部おしえてやっている感が否めないのですよね。例えば日本と韓国を象徴させるもののひとつである、日本酒とマッコリを飲み交わすとか・・・ その前に日本と韓国は兄弟げんかをしているとか・・・

セリフや道具に頼りすぎなんですよね。
心情を表現するときはさりげなく、しかしスクリーンに映る画面はそこにフォーカスが当たるようにしないと人間の気持ちは入っていきません。

特に今回は介護現場の苦悩と頑固者に寄り添う介護のありかたみたいなことを随所に入れてきており、それも「?」と感じになりました。「介護福祉士ですから」とか、認知症の方が暴れて職員が手を出すとかもそれってこのシーンの必然なの?と思いました。

ストーリーを描くときは、エピソードとそのシーンが伝えたいメッセージが主人公もしくはその周辺の人とどう関係するのかがわからないと伝わりません。私に伝わってきたメッセージは、「日本の介護現場は大変で、ヨナがやっていることは凄いこと」です。

う〜ん、映画で伝えたいことってそれなの?
それとも剛生とヨナの介護を通した愛なの?どっち? 
両方伝えたいことなら、あるべき介護を通した愛って何?

介護現場が大変なのもわかりますし、年齢や国籍や男女間の性を超えた愛も理解しています。それ自体も間違っていないし、否定をするものでもありません。

介護も愛も個別性が高いからここを一緒に描いてしまったがために、私が啓発的と感じてしまったんでしょうね。

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