2016年4月19日火曜日

痛恨のプレゼン(涙)倫理コンサルテーション事業



今回の本当のミッションはこちらでした。
東京医療センターでの仕事について話をする機会を頂きました。ありがたいことです。話の内容は「東京医療センターの倫理コンサルテーション事業」です。

今回は持ち時間が10分しかなく、トップバッター、しかも最初に機器トラブルで焦ったがため自分の良さが全くでませんでした(涙)

そのため話をしようと思ったことをここに書こうと思います。

東京医療センターは昨年度の厚生労働省「人生の最終段階における医療供給体制整備事業」において事業実施施設でした。

厚生労働省「人生の最終段階の医療の決定プロセスに関するガイドライン」の患者の推定意思が確認できない場合、医療ケアチームが話し合って慎重に検討し、家族がいる場合は十分に話し合うとされています。それでも決定ができない場合は複数の専門家で構成する委員会を設置し治療方針等の助言を行うとなっています。東京医療センターの倫理サポートチームは担当医療チーム以外の第三者の位置付けになります。そのため患者に介入せず、患者の意思決定支援は現場の担当医療チームが行います。


現場の意思決定支援はときに困難で倫理的ジレンマを感じることは少なくないです。
例えば人工呼吸器や人工栄養の差し控えや中断、患者が治療を拒否している、治療が無益だと感じられる場合など様々あるかと思います。

また、リビングウィルやDNR(Do Not Resuscitate)などがあればいいのかというとそうではなく、作成されていても作成時期がかなり昔だったりする場合、現在の意思と変わっている可能性があります。

臨床現場ではまだまだ医師中心の意思決定となることが多く見られます。そうなるとこのジレンマを医師が抱えてしまったり、医師の独善を他の医療スタッフが止められずそれに対しても悩んでしまうことがあると思います。

当院の倫理サポートチームは担当医療チームが倫理的ジレンマを感じた時に気軽にみんなで相談できる場をつくりました。それが「倫理カンファレンス」です。

倫理カンファレンスはジョンセンの四分割法を使って倫理サポートチームと担当医療チームの他職種でカンファレンスを行います。多職種で話をすることで、まだ考えられていなかった視点を考えることができます。倫理カンファレンスはコツをつかめば、誰でもできます。

倫理カンファレンスの流れは以下のとおりです。
1)事例の提示
2)選択肢の提示
3)情報の整理(四分割法)
4)倫理的検討(臨床倫理の四原則:自律性の尊重、無危害、善行、正義)
5)おおまかな方向性
6)具体的選択と計画
7)コミュニケーション

大体1時間くらいで進行するくらいがちょうどです。(あまり時間をかけすぎないことがコツです)倫理サポートチームは倫理的な立場での推奨は行いますが、ここでの話はあくまでも担当医療チームとしての方針を決めるのみで、実際の医療の意思決定は患者・患者家族と担当医療チームとの話し合いで決まります。

アドバンスケアプランニング(ACP)相談についても、基本は担当医療チームが行います。しかし担当医療チームの依頼と患者・患者家族の同意があった場合にのみ相談員が相談の席に同席します。

この取り組みを事業で行うことで、堅苦しくなく相談できる場所をつくり、意思決定に医師以外のスタッフが関与でき、医学的な見地のみの意思決定支援から他の状況を加味した意思決定支援へと変化していく兆しが見えました。

時間はかかりますが、じっくり活動をしています。



このような話をしようと思っていました。。。。

より精進します。。。。(涙)

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